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【詩】かくれんぼ

顔すら思い出せないのに音だけが耳から離れない

絞め殺された黄昏の断末魔によく似たあの人の名


澄んだ茶色の瞳は

空間を切り裂く線香花火に囲われた

晩夏の太陽

いつも火薬の匂いがしてた


偽りの記憶が立ち上げる見ず知らずの男

手の甲にあるのはアルタイル

わし座のかたちそのもので

そこに流れる天の川に

leap of faith

したかった

できなかった

心残りだけが宙に舞い

埃だらけのディキンソンにそっと舞い降りる

I know that He exists.

かくれんぼは終わらない

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