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【詩】柔肌

1日はたわしで撫でられる柔肌によく似ていて

擦るたびこぼれ落ちていく

ひとなでひとなで

やさしく丁寧に残酷に

洗いざらいになっていく


日めくりカレンダーとは違い

終わりは見えず

少しずつ傷みの総量が増していく


削られた1日の最後には

赤ん坊色をした桃の匂い

静脈の濃い紫

やがて滲んだ赤となり

白が見えて少しほっとする


遠くから汽笛の音が聞こえる

リセットの合図

今度は読み違えないように

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