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進んでいますか?デジタルトランスフォーメーション(DX)〜企業が取り入れた成功戦略【事例あり】〜

話題の「デジタルトランスフォーメーション(略してDX)」、みなさんの会社では活用されていますか?今では、全くデジタルに移行せずに業務されている企業の方が少ないのではないでしょうか?
総務省では、デジタルトランスフォーメーションの定義を以下のように定めています。

Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

総務省 情報通信白書令和3年版 デジタル・トランスフォーメーションの定義より

要するに、DXとは、ネット上のバーチャルな世界と現実(対面など)をクラウドやソーシャルネットワークなどを駆使しながら顧客体験を向上させている、現代のビジネスを進める上で特に重要な改革の一つを指しています。この動きは各業種に浸透していますが、特にB2Cの分野では顕著です。その一例を、早速、誰もが知っている企業の成功例を挙げながら説明していきたいと思います。

コロナ禍においてCX(顧客体験)に力を入れた企業は結果として勝ち組となりました

飲食業のモバイルオーダーやAIの浸透


マクドナルド:
アメリカで2017年にデジタルトランスフォーメーション戦略「エクスペリエンス・オブ・ザ・フューチャー(Experience of the Future)」を発表し、マクドナルドはモバイルオーダーや自動化された注文受付機などを導入し始めました。日本においても、コロナ禍における非接触サービスのモバイルオーダーやマックデリバリーなど、マクドナルドのDX戦略は一気に進み、結果としてコロナ禍における勝ち組の1社となりました。

スターバックス:
スターバックスもまた、モバイルオーダーやデジタルウォレットなどのデジタル技術を導入し、注文の効率化や顧客のエクスペリエンス向上を図っています。また、10年前の2013年には米Googleが米Starbucksの米国内の全店舗(7000店以上ある)で無料のWi-Fi接続サービスを提供すると発表していることから、早くからDX戦略に乗り出してきたことがわかります。また、最近ではAI技術を活用して、いつも飲んでいる飲み物の傾向から、顧客の嗜好に合った商品提案をしています。これにより、より一層パーソナライズされた商品を提供しています。

アパレルやコスメ業界でもDXはどんどん加速しています。


ファーストリテイリング:
日本のB2C企業で、DXに非常に力を入れている企業として有名なのはファーストリテイリングです。オンラインストア「UNIQLO ONLINE STORE」を早くから開設し、2022年には10周年を迎えたモバイルアプリを提供、また、オムニチャネルによる販売促進を図っています。近年ではRFID(Radio-frequency Idntifier)というタグを利用し、商品を置くだけで顧客自らが精算を行うことができる画期的なシステムです。これにより、有人のレジと比較して、人件費の削減や顧客のレジ待ち時間の短縮が実現しました。さらに、データ分析を活用して、顧客のニーズや嗜好を把握し、商品開発やマーケティング戦略の立案に役立てています。

資生堂:
AIやデータ分析技術を活用して、顧客の肌質や化粧品の好みを分析し、好みに合わせた製品の紹介を行っています。また、資生堂のオンラインストアやSNSなどのデジタルプラットフォームを積極的に活用し、顧客とのコミュニケーションを強化しています。これによりブランド認知度の向上だけでなく、顧客のロイヤルティの向上を図っています。また、モバイルアプリの提供により、顧客のニーズを把握し、製品やサービスの提供方法を最適化しています。また、AIやIoTなどの技術を製品開発や販売戦略の立案に役立てています。

このように、デジタルトランスフォーメーションの主力はB2Cの業界に偏っているように見えますが、B2Bでも当然、広がりを見せています。

日立製作所:

DXによる製造現場の改革を進めていて、経済産業省と東京証券取引所および独立行政法人情報処理推進機構が選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄2022」において、2021年に続き、2022年も「DX銘柄2022」に選ばれました。日立製作所は、IoT技術を活用し、機械や設備にセンサーを設置して、リアルタイムにデータを収集し、分析しています。その結果、稼働率の低下や故障の発生などを予知し、メンテナンス計画を立てることができるようになりました。また、AI技術を活用して、製造プロセスにおける品質管理を改善しています。このシステムにより、従来の手動での検査に比べて、高速かつ正確な品質管理を実現しています。

日立製作所の強みとして、これらの技術開発を全て自社で開発・活用することができるため、製品に付加価値をつけることが可能となり、新しいビジネスモデルの創出にも活かしています。

DXは環境問題対策の1つとなります

DXは環境にも優しい

まず、DXを行うことで、従来アナログな手法で行ってきた作業をデジタルに移行することができます。例えば、広告や資料をペーパーレス化することにより紙の使用量を減らすことが可能となります。これにより、森林伐採を防止し、環境保護に貢献することができます。また、デジタル広告に移行することで、より広範な視聴者にアプローチすることができるメリットもあります。

また、オンラインミーティングやテレワーク、オンラインイベントなどの取り組みによって、従来移動にかかっていたエネルギーを大幅に削減することができます。

さらに、省エネルギーなグリーンITの採用を進めれば、環境にやさしいIT環境を実現することができます。

マーケティングにおけるデジタルトランスフォーメーション

また、DXは、デジタルテクノロジーを活用することで、顧客行動や嗜好に関するデータを収集し、それを基にターゲティングされた広告を配信することができます。これにより、より的確なターゲティングが可能となり、ROIを向上させることができます。例えば、SNSなどのデジタルプラットフォームを活用して、ターゲットとなるユーザーへ簡単かつ迅速にキャンペーンを伝えることができます。また、AIや機械学習などのテクノロジーを活用することで、キャンペーンの最適化や自動化も可能となります。

デジタルテクノロジーの活用やマーケティングオートメーションをビジネスに組み込むことにより、効率的かつ的確なマーケティングを展開することが可能となります。また、これらの取り組みは、今後のビジネスの成長に不可欠となるでしょう。

DXの課題とまとめ

以上のように、DXはビジネスにとって大きなメリットが多数あります。しかし、DX戦略を進める上でも、慎重な計画と戦略が必要です。特に、セキュリティーの問題やデータプライバシーの問題には十分な配慮が必要です。また、そもそもシステムを構築する必要がある場合も多く、その際にはコストがかかってきます。従って、実施を決める前に、ROIが見込めるかどうかを慎重に判断する必要があります。それでも、今後ますますデジタル技術が進化していくことが予想されるため、DXを取り入れたビジネス展開は積極的に検討していった方が良いと思われます。


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