【小説】神社の娘(第9話 橘平は模型を直し、葵はぐちゃぐちゃ悩む)
「わ~!!間に合ったー!!」向日葵は桜と橘平を一緒に抱きしめ、半泣きで叫んだ。「だいじょぶだいじょぶ!?生きてる?ケガしてない~!?」
「向日葵、まだ『なゐ』が」
「あー!!そうだ!!」
葵以外は巨大な怪物を無事に倒せたことで、安堵しそうであった。
しかし、本来の目的はそれではない。「なゐ」の消滅だ。再び気を引き締め、彼らは桜の木の方に視線を向けた。
先ほどの怪物が木々をなぎ倒してくれたおかげで、4人のいる場所から桜の木が見えるのだ。
次第に桜の花びらが落