スパチャは驚異の月間1億円超… カバー株式会社(5253)の2024/1Q決算を分析 ―配信/コンテンツ分野編―
はじめに
当記事内に記載している内容は必ずご自身で正確性・信憑性をご精査ください。
また、当記事の内容によりいかなる不利益を被ったとしても一切の責任を負いません。投資をする際は必ず自己責任でお願いします。
本記事の概要
本記事ではカバー株式会社(5253)2024/1Q決算分析のうち、配信/コンテンツ分野について深掘りをしていきます。
総合記事はこちらから
また、筆者が決算発表前に事前予想した内容についても合わせて振り返ります。
配信/コンテンツ分野 事前予想記事はこちらから
配信/コンテンツ分野の定義・内訳
収益項目:メンバーシップ加入、Super Chat、動画配信プラットフォーム上での広告収益、及び音楽ストリーミングサービス上での楽曲コンテンツの販売収益等
コスト項目:プラットフォーム手数料及びVTuberとしてアバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイター(演者)への収益分配等
※有価証券報告書(第7期)より引用
2024/1Q 配信/コンテンツ分野 実績売上高
実績売上高 :1,651百万円
配信/コンテンツ分野の各項目を分析
1.各データの集計
PLAY BOARDより、2024/1Q(2023年3月~5月)までの「ホロライブ」「ホロライブEN」「ホロライブID」「ホロスターズ」「ホロスターズEN」に所属するクリエイターの想定Super Chat合計収益
※「hololive ホロライブ - VTuber Group」などの公式アカウント除く
2023年6月末のクリエイターチャンネル登録者数による想定メンバーシップ収益
2.想定Super Chat収益の算出
2024/1Q(2023年3月~5月)のSuper Chat合計金額
・ホロライブ :¥223,714,746
・ホロライブEN :¥61,551,466
・ホロライブID :¥17,161,863
・ホロスターズ :¥21,267,419
・ホロスターズEN:¥36,786,018
計:¥360,481,512
手数料30%差引後 :¥252,337,058
3.想定メンバーシップ収益の算出
1.チャンネル総登録者数
2023年6月末時点:7,782万人
2.想定メンバーシップ総登録者数
※完全にデータが無いため平均100人に1人登録していると仮定
2023年6月末時点:77.82万人
3.想定メンバーシップ収益の算出
各クリエイターによりメンバーシッププランおよび月額金額が異なるが、今回は最も設定数が多い「490円/月」プランを基準とする。
2024/1Q 77.82万人×490円×3ヵ月=¥1,143,954,000
4.獲得収益の合算
「2.想定Super Chat収益の算出」および「3.想定メンバーシップ収益の算出」にて算出した収益を合算する。
2024/1Q
Super Chat収益 :¥252,337,058
メンバーシップ収益:¥1,143,954,000
合計 :¥1,396,291,058 ―①
5.「配信/コンテンツ分野」の売上高 内訳予想
1.2024/1Q決算短信より、2024/1Qの「配信/コンテンツ」売上高
¥1,651,630,000―②
2.動画配信プラットフォーム上での広告収入等
②¥1,651,630,000 - ①¥1,396,291,058 = ¥255,338,942
3.想定収益と実績売上高の乖離率
¥1,396,291,058 / ¥1,651,630,000 ≒ 15.5%
4.2024/1Q「配信/コンテンツ分野」売上高 内訳予想
¥ 252,337,058 ・・・Super Chat
¥1,143,954,000 ・・・メンバーシップ
¥ 255,338,942 ・・・動画配信プラットフォーム上での広告収入等
計¥1,651,630,000
筆者事前予想との乖離について
1.売上高
筆者予想売上高 :1,636百万円
実績売上高 :1,651百万円
乖離 : +15百万円
概ね事前予想と合致。
2.チャンネル総登録者数
筆者事前予想 :7,493.6万人
実績数 :7,782 万人
乖離 : 288.4万人
事前予想では公式Ch登録者数を除いて計算したため乖離が発生。
3.メンバーシップ収益への影響
チャンネル登録者数に乖離が生じたことによるメンバーシップ収益の再計算
決算前予想メンバーシップ収益 :¥1,101,559,200
決算後予想メンバーシップ収益 :¥1,143,954,000
乖離 :¥ 42,394,800
約42百万円の乖離が発生したと推定。
4.乖離補正後の予想売上高
¥1,396,291,058 × 120.9%(2023/4Q乖離率) = ¥1,688,115,889
実績売上高1,651百万円との乖離は▲37百万円
公式チャンネル登録者数を加算すると乖離が大きくなる結果に。
まとめ
本記事では「配信/コンテンツ分野」の内訳を予想。
決算前の事前予想売上高と実績売上高の乖離幅が小さかったため概ね算出方法は問題ないと推定。
公式チャンネル登録者数を計算に含めると若干乖離が大きくなったが、与える影響は僅かなため次回からは公式チャンネル登録者数も合算を予定。
2024/2Qの決算でも「配信・コンテンツ分野」売上高は同水準から微増になると予想。
4つの分野(セグメント)のうち、「配信・コンテンツ分野」が最も算出しやすい分野であることから、引き続き継続して予測をしていきたい。
筆者の業界分析への考え方についてコラムに纏めています。
よろしければこちらも合わせてご覧ください。
Twitter:@karuta_54
編集履歴
2023/9/9
「配信/コンテンツ分野の定義・内訳」のうち、
(修正前)※2023/4Q決算短信より引用
(修正後)※有価証券報告書(第7期)より引用
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