ACTの脱フュージョンはフラッシュバックにも有効っぽい

トラウマのフラッシュバックとその対処法に関する実体験です。
実体験ベースなのでエビデンスはないです。

ACT(アクセプタンス&コミットメント&セラピー)という心理療法の中に
「脱フュージョン」というテクニックがあります。
これは要するに「感じていることと考えていることの融合(フュージョン)を分離させる」というもので、
すごくシンプルに言うと、「苦しい」という感情を「私は今、"苦しい"と感じている」と言うように客観的に表現し直す、というものですが、ただ単にこのような方法を取るだけでは真価を発揮させることは出来ないというのが自分の実感です。
しかし脱フュージョンには様々なテクニックが存在し、経験上それらを使うことで劇的に効果をもたらします。

具体的についさっき自分が陥ったケースと、どう解消したかを解説します。

事象: 午前から今に至るまで、感情のフラッシュバックが起きていた。「体験した出来事を想起する」というタイプのものではなく、映像や記憶は見えない代わりにその当時の恐怖、緊張、苦しみ、痛みなどの感情が再現され続ける、というもの。

実際の対処: ちょっと変な声をしたアナウンサーのような人が頭の中で淡々とこのように読み上げる。
「彼は感情のフラッシュバック体験により、苦しみを感じています」
「この感覚は認知に基づくものではなく無意識領域によるものなので、認知のゆがみの改善によっては対処出来ないようです」
「虐待歴がある患者は、このように具体的映像を伴わない感情のフラッシュバックに苛まることがあり、苦しみを取り払うのが困難です」

詳細には覚えてないがこんな感じ。
これは実際によく知られているテクニックを複数自分なりに応用したもので、以前も効果を上げたことがあるものです。

ここで活用した脱フュージョンのテクニックは、

・「誰かの声で自分の現状を説明的に音声化する(変な声であるとより良いらしい)」
・「その声により自分の感情に起きてる出来事を淡々と説明する」
・「自分を"◯◯という患者"というドキュメンタリー番組の登場人物のように仕立て上げ、その上で「このような患者はこのような時このような症状に苛まれる事があり…」という表現を取ってみる」

というようなもので、これらにより「自分の苦しみを感じている部分」が他の心の部分と上手く切り離され、最後の一言を頭の中で言い終えると同時に頭の中の嵐が急速にどこかへ去って行くのを感じました。

調べれば出てきますが、もっとたくさんのテクニックが存在しています。
(今ググったらヒットした記事に30個も紹介されているのを発見)
https://mindful-teshy.com/2023/11/18/exercise/

特にエビデンスがどうとかきちんとした資料に基づいて書くとかそういうのはしてないですが、一患者目線でどうやらACTの脱フュージョンってフラッシュバックにも有効みたいだぞ、というだけの話でした。ご参考になれば嬉しいです。

もしACTに興味が湧いたら「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」という本がおすすめです。(アフィなし)


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