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線維筋痛症のためのリハビリキャンプ🏕️ ①現状認識編

★この記事は…

対象:線維筋痛症の治療の方法に関心がある方に
内容:実際に私が参加したプログラムの内容を具体的にレポートすることで
目的:他の患者さんの生活にも活かせるヒントを見つけてもらいたい

という思想で書いています。ある程度動ける中等度〜軽症の線維筋痛症の患者さんに向けた記事となっております。

私の現在の症状と身体機能

まず、具体的にイメージしていただくために私が今どれくらいの生活水準なのか書き出してみます。

・腹部、胸部、臀部以外の全身に常時疼痛あり

・瞬間的な動作はできることが多いが、疲労と疼痛がすぐに現れるため連続的な動作ができない

・家の中での食事、排泄、更衣、入浴などは自立

・料理、掃除、洗濯、買い物などの家事は家族に頼る

・家の中での歩行は可能(疼痛が強い時は伝い歩き)

・外出時は杖1-2本または電動車椅子
連続歩行は100-200mまで

・階段昇降は手すりまたは杖が必須

 家の中での生活はだいぶましになり介護が必要なレベルは脱しましたが、まとまった時間動くことが難しいので毎日の家事などはまだ負担が大きすぎるという状況です。

 また、これらの身体機能は「普段十分に休んでいれば」「ある程度の時間限定で」発揮できるという制約があり、限界を超えると次の日から激しい疼痛に見舞われ生活動作が著しく損なわれます。

プログラムの概要

・14日間の入院

・理学療法士と作業療法士による指導がそれぞれ1日40分ずつある

・医師や看護師による疼痛管理

 これだけ聞くと「それだけ?」って感じですが、実際に何かをやってもらう時間は1日の中でほんのわずかです。ですので療法士や医師が"いない"時間の過ごし方が重要になります。

 また、このプログラムの本番は「退院後の生活全て」です。学んだことをお土産として持ち帰り、毎日の生活に活かすことで実になると考えています。

 ベッドの上や院内でできるストレッチを教えてもらったり体の動かし方のコツを習得することで、家に帰っても同じことを続けていくことが必要ということを繰り返し説明されました。

参加方法・費用など

 今回のプログラムは主治医から直接提案されて参加することになりました。現時点では普段から外来で通っている患者さんのみを対象としているそうです。ホームページなどにも案内はありません。

 そのうち、ノウハウが蓄積してくれば公開されることもあるかもしれませんので、その際はこちらでお知らせしたいと思います。

 費用については食事等一部費用を除き保険適用です。通常の入院と同じく、高額療養費制度を利用することで所得に応じて一定の金額以上は支払いが免除となります。
 線維筋痛症は指定難病ではないので、他には障害者手帳があって条件を満たす場合のみ自治体の医療費助成が利用できる場合もあります。

 最終日に保険点数がどれくらいになるかを見てこちらの記事を更新する予定です。

入院1〜2日目:ヒアリング・筋力テスト・動作テスト

入院でしかできない連携技

 と、いうわけで早速レポートに参りましょう。まずは担当してくださる各科の先生や療法士さん、看護師さんに、とにかく根掘り葉掘り現在の生活の様子や疼痛の程度などを聞かれました。

 入院するとさまざまな角度から「なんのために、どのような入院にするのか」という計画書などが策定されて共有してもらえるので、通常の外来ではできないきめ細やかな連携サポートを受けることができます。

 外来では1人の先生が1ヶ月に1回、長くても30分くらい話を聞くのが関の山なのでこれは入院の隠れたメリットかなと思います。とにかくプロフェッショナルの人たちの連携が早くてスムーズです。他科の先生にかかるのも簡単で検査もすぐできるし、薬も柔軟に変えられます。

 看護師さんに伝えた細かい体調もパソコンから電子カルテにすぐ記載されるので、その日に来た療法士さんにも私が今日どんな様子なのか伝わっています。すごい。

リハビリの先生からの試練

 いろんな肩書きの方がひと通りいらっしゃったところで、リハビリの先生登場。さまざまな動作の様子を見たり筋力テストをしたりしました。

 特にキツかったのは徒手筋力テスト。手帳のお持ちの方はご存知と思いますが、一定の力で体を押さえつけられるのに抵抗して勝てるかどうかを見られます。

 膝を手で押された状態で、「全力で抵抗して持ち上げて!」と言われるのですが全然勝てない。めっちゃ強く押してるでしょ!笑 と思ったのですが、足先を押さえられた時は簡単に勝てて「え、こんなにちょっとしか押してないのか‥」と思いました。

 つまり、今の筋力には部位によってかなりばらつきがあるということがわかりました。

 テストの結果、手帳をもらった時とあまり変わらない5点中3点という結果に。生活は向上したけど、瞬発的な最大筋力は回復してないみたいです。

 握力は右6.1kg・左7.3kgでしたが、次の日手がめちゃくちゃ痛くなって5kg未満(測定不能)になりました…。つまり実際にはそんな握力は出せていないということ。握るのいっったい!(涙)
 先生に「それで全力?」って言われました。うぐぐ。

私がなぜ思うように動けていないのかが判明

関節を曲げ伸ばしするテストでは、途中までスムーズに伸びるものの、最後の数十度で痛みと抵抗感があり、伸ばし切るのが難しかったです。それを見て先生が納得顔でした。

「筋肉が縮んで硬くなってるね」

 痛みで筋肉を使う範囲が狭まり、縮んだまま固まる。その結果関節が少し曲がった状態で歩くと、バランスを取るために前屈みになってしまい、体を支えるために余計にあちこちの筋力が必要となるそうです。なのですぐに疲れてしまう可能性があるとのこと。

私の歩き方は高齢者のようになっている(イラストボックスより)

楽に歩くつもりが余計に辛くなっているとは……。アドバイスに従って、意識して背筋を伸ばし歩幅を小さくして歩くと、体幹の筋肉は必要だけど、全体的に疲れにくいと思いました。

2週間の目標

 ということで私の課題が明らかになりました。まずは「カチカチに固まった筋肉をほぐして、姿勢を維持するための筋力をつけること」が重要です。

 今のカチカチの状態まま運動すると、硬くなっている部分に集中的に負荷がかかってしまい痛みの原因になるので、ストレッチによってじわじわほぐしていくことになりました。

 さもない感じに書いていますが、最初に線維筋痛症患者のリハビリを始めた時はどの程度やったらいいかわからず手探りだったそうです。ノウハウの蓄積のおかげでスムーズに取り組めるのはありがたいです。

 それでは今回はここまで。次回以降は実際のリハビリの内容や、自分でできるストレッチ・トレーニングなどを紹介していきたいと思います。


入院リハビリシリーズはこちらのマガジンにまとめています↓

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