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播磨陰陽師の独り言・第411話「十二月の行事など」

 十二月に入りましたね。今月の行事の内容は短いので、ざっとまとめます。
 八日は、東北地方の行事ですが〈妻迎え〉があります。他の地方では旧暦十月十日に終わっている行事です。大黒祭に二股大根を備えます。
 十二日は石川五右衛門の処刑日でした。1594年のことですが、いくつか説があるそうです。霊符に〈十二月十二日〉を逆さに書いて泥棒避けにするものがあります。天井から侵入した泥棒が、この日を思い出して逃げる……と言われていますが、これは関西のみの風習です。天六の住宅ミュージアムの中の建物にも、この霊符が貼ってあるのを見たことがあります。
 十三日は〈正月事初め〉です。この日から正月のための準備がはじまります。正月飾りは二十八日からですが、準備は十三日からです。元々の正月事始めは八日だったそうです。この日は正月の準備として、お節料理を煮炊きするための薪を取ったり、門松を作るための松を山に取りに行っていたそうです。それが江戸時代に入ると十三日に変更になりました。理由は、その日が〈鬼宿日きしゅくび〉だからです。鬼宿日と言うのは、とても運気の良い日のことです。歳神様を迎える準備をはじめるのにちょうど良いとされました。明治時代に入ると、新暦を使うようになりました。事始めの日は引き継がれて、今でも十三日のままです。
 十四日は〈赤穂義士祭〉です。討ち入りは1702年の事件ですので、320年前の出来事になります。
 赤穂浪士の大石内蔵助の子孫に大石兵六と言う一部で有名な侍がいます。この名よりも〈兵六餅〉の兵六と言った方が分かるかも知れません。彼は化け物退治で有名です。播磨陰陽師は化け物退治をしますので、当然かも知れません。
 二十二日は冬至です。冬至には柚子湯に入ったり小豆カボチャを食べる風習があります。田舎にいた時は、柚子が手に入らなかったので、ミカン風呂に入っていました。本当は柚子だと知るのは大人になって関西に来てからでした。
 二十八日は正月飾りの開始です。そして餅つきをする日でもあります。私の田舎では餅つきの日に納豆をまぶした〈納豆餅を〉食べました。これはつきたての餅でなければ美味しくありません。あと、鏡餅は紅白のものをつかっていました。今では懐かし思い出ですが……。

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