見出し画像

播磨陰陽師の独り言・第三百九十四話「納豆ご飯のこと」

 ご飯に納豆をかけて食べるのは美味しいですね。ほかほかのご飯なら、なおさらです。田舎にいた頃は、ほとんど毎日、納豆を食べていたのに、大阪に流れ着いてからは食べなくなりました。当時は大阪のマーケットに納豆が売られてなかったからかも知れません。かつて大阪の人々は納豆嫌いとして有名でした。これは湿度の高い気候のせいなのかも知れません。
 納豆は大豆で作ります。大豆の高級品は国産の丸大豆です。この国産の丸大豆と言うのは、十勝平野で栽培された大豆のことです。田舎ではいつも国産丸大豆100パーセントの納豆を食べていました。これ以外の大豆を見つけようとする方がたいへんでした。
 かつて十勝は豆成金で有名でした。あまりにお金持ちになったため、料亭で足元が暗い時、札束に火をつけて灯りとした……と言う逸話まであります。
 納豆は弥生時代から食べられているそうで、かなりの歴史があります。藁を敷いているところに茹でた大豆が落ちて、納豆化した……と言うのがはじまりだと言われています。弥生時代の人は、山芋なんかを擦って食べていたそうなので、納豆などのヌルヌルした食べ物にも抵抗なかったようです。弥生時代はどのような形で納豆を作っていたのでしょうね。水戸納豆のような藁苞わらづとに入れていたのでしょうか?
 さて、納豆を食べ過ぎると、かえって毒になるそうです。何でも食べ過ぎるのは良くないですね。一日に2パックくらいが限界で、それ以上は食べ過ぎです。
 納豆菌は生命力が強いので、納豆を食べた人は酒蔵に入れないそうです。酒用の菌類を殺してしまうそうです。
 それを知って、
——酒蔵の職人さんたちは、生涯、納豆を食べないのかな?
 とか、思いました。
 私は普通の納豆より、挽き割り納豆が好きです。また、案外、知られていますが、北海道では出来立てのお餅に納豆をまぶして食べます。これがまた、美味しいです。そして、納豆には砂糖を入れます。すると、ネバネバの糸をたくさん引いて、一層、味わい深くなるのです。納豆巻も好きですね。このような食べ物が日本でだけ食べられているのは不思議としか言いようもありません。外国の人々は納豆に挑戦して、多くの人は挫折するようです。関西の人も挫折しますが……。

  *  *  *

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?