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播磨陰陽師の独り言・第412話「コーヒー好きの日々」

 コーヒーが好きでした。この表現が過去形なのは、今はそれほど飲んでいないからです。もちろん、嫌いになった訳ではありません。飲まなくなったのはコーヒーを飲み過ぎたからです。
 ゲームの開発をしていた頃は、ものすごく飲んでいました。
 誰が聞いても、
——飲み過ぎだな。
 と思うほどの量です。
 だから体がついてこなくなりました。
 はじめてコーヒーを飲んだのは、もうすぐ中学生になる頃だったと思います。当時は、まだ、インスタント・コーヒーの出はじめの頃で、伯父が、
「珍しい飲み物を買った」
 と言って作ってくれたのです。
 はじめてのコーヒーは、砂糖の入れ過ぎか、とても甘い飲み物でした。フレッシュとかなくて、牛乳をそのまま入れていました。これが良かったのが、牧場から買っていた搾りたての牛乳を入れていたので、かなり美味しかったです。しかし、インスタントはなかなか手に入らなかったため、それから数年するまで、飲むことはありませんでした。今のように普通にコーヒーが飲めるようになったのは、中学校に入ってしばらくしてからのことです。
 大人になってゲームの開発をしていた時は、飲んだ飲んだと言う感じ。しまいにはカフェインだけで良くなって、〈モカ〉と言うカフェインのドリンクを飲んでいました。このドリンクは眠気覚ましに飲むのですが、飲んでいくと、かなり体に悪いです。そして眠れなくなります。心臓も痛いです。
 それから何度か入院して、体に悪いことはやめたので、コーヒーの量も少なくなりました。また、飲むコーヒーの濃さも、極めて薄くなりました。アメリカンと言うより、コーヒー色のお湯な感じです。
 大阪で丸福コーヒーと言うのを飲んだことがあります。丸福は濃くて有名なコーヒー店です。お店のテーブルにも、
——当店のコーヒーは一般に比べて濃いです。
 と言うようなことが書かれています。
 飲んでみると、確かに濃かったです。
 飲んだ時、
——濃いコーヒーもたまには良いものだ。
 と思いました。
 最近、使っているコーヒーカップは、持ち手にスプーンを挿す穴があります。確か小倉の百均で買った陶器の物ですが、なかなか使い勝手が良いカップで、つい飲み過ぎてしまいそうですが……。

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