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NO PROGRESS

——この不完全に、戦慄せよ。「NO PROGRESS」は、リアルタイムで演劇の制作過程を見ていただくことにより、より制作者に近い観点から演劇作品を鑑賞していただくことを目的とした… もっと読む
2020年11月末日までに購読を開始し、東京本公演(2021年4月下旬〜5月上旬を予定)の月まで継… もっと詳しく
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「NO PROGRESS」 制作メンバー紹介

山本ジャスティン伊等 Justin Karera Yamamoto (作・演出・出演) 1995年生。アメリカ合衆国サンタモニカ出身。慶應義塾大学仏文科卒業。早稲田大学文学研究科表象メディア論コース修士課程在学中。2017年、『あとは自己愛性の湯、』2019年、『配置された落下』(於:SCOOL)で劇作と演出を務める。 サイト:http://www.karera-justin.com Twitter:@ira_they 安瀬雅俊 Masatoshi Anse (出演)

1月18日 NO PROGRESS稽古映像

稽古概要(担当:かれら)今回は、前回の3時間の重い空気がどうなるか、というところで、みんな緊張感があったと思う。おれはまた話の続きになるかな、と思ったけど、そうして話していることが、いつのまにか演劇になっていた。そして、そのようにいつのまにか演劇になる、ということが、『NO PROGRESS』という作品を制作する際の、根幹を担うようなものにもなっている。 今回の稽古は、話し合いの緊張感がそのまま演技にもたらされ、不思議な緊迫感が終始続いている。ありがちな言い方ではあるけど、

1月14日 NO PROGRESS 稽古映像

稽古概要(担当:かれら)1月13日の深夜、僕はNO PROGRESS のグループラインで、次の日の稽古で行うシーン、そして、俳優の3人にそれぞれ稽古場に入ってからのルールを加えた。まず、安瀬さんには、一定の時間以上、無言でいないこと。12日の稽古での安瀬さんは普段話している時と違って、言葉少ない感じだった。でも安瀬さんは、僕らが話している本筋とは全く違う角度の話を入れ込んでくるのが魅力だ。前回の稽古映像には入っていないが、読み合わせのときのしょぼくれた感じ、これが続くと良くな

1月12日 NO PROGRESS稽古映像

文責:かれら(1/22) NO PROGRESS 稽古映像公開にあたって 2020年10月から、これまでzoomの座談会を行ってきたNO PROGRESSですが、ついに対面稽古が始まりました! コロナウイルスの影響で、いつ中止になるか分からないなか稽古を進めていくのは、不安、みたいなことをよく見ます。Twitterとかでね。この作品もコロナの影響で一度中止になっているので、そりゃ2回目の中止はマジで勘弁してほしいところです。 でも、「不安」と聞いて一般的にイメージされる

NO PROGRESS ワークインプログレス、予約開始しました!

2020年10月から、演劇作品の制作過程を公開するプロジェクトとして始まった、山本ジャスティン伊等『NO PROGRESS』は、2021年2月13日と14日に、TPAMフリンジ参加作品としてワークインプログレスを行います。 11月末日までにnoteを購読してださった方は、チケット割引制度を設けております。 不安定な状況ではありますが、メンバー一同、コロナウイルス感染拡大予防を行い、会場にてお待ちしております。 以下、公演詳細です。 【日程】 2月13日(土)17:00 2

12月19日 座談会 緊急番外編!part1

番外編を行なった経緯(山本伊等より)僕らはいま、2月のTPAMフリンジに向けて、ワークインプログレスを準備を進めている。12月18日、僕と安瀬さんと小野寺の三人で、そのためのメインビジュアルの撮影を、井の頭公園で行なった。もちろん色々な試行錯誤があったものの、公園に到着してから2時間程度で、安瀬さんが自分の絵を川の中に沈めた写真を撮ったことで撮影は一応終わった。これが元のビジュアル案だ。 水しぶきに、タイトルを書いただけの荒っぽさが、僕が今回作品について抱いているイメージと

代えが効かないもの、内輪ウケの効能

舞台美術についてかれら:今日はまず、舞台美術の話から入ろうと思います。今日、公演を行うどらま館のひとと話あってきました。ぼくは以前、「舞台全面に砂を敷きたい」という話をしましたけど、劇場側から、砂とか土は、粒が飛ぶのでできればやめてほしいとのことでした。まあ、今回は換気をこまめにしなければならないので、仕方ないかなと思ってます。で、ガーデニング用のチップならいいと言われたんですが、それこそ代替案感がすごいってい うか。これを砂漠っていうことにしてくださいっていう感じになるじゃ

ワークインプログレス、本公演の会場と日程が決定しました。

こんばんは。山本かれらです。 『NO PROGRESS』を初めて1ヶ月ちょっと、記事数は早くも10を超え、草稿の加筆修正を重ね、不安定な情勢ではありますがわれわれは着実に公演への準備を進めています。 今回は、ワークインプログレスと本公演の会場と日程が決まりましたので、お知らせします。 『NO PROGRESS』ワークインプログレス 会場:SCOOL(http://scool.jp) 日程:2月13日、14日(時間未定) 『NO PROGRESS』本公演 会場:早稲田小劇

テクスト草稿 第三稿(11/11)

テクスト第三稿、pdfデータと写真第二回座談会において提出された、ロビン、森、安瀬、小野寺、富澤の5作品を受け、テクストを書き進めました。 修正の理由や、メンバーの創作をどのように反映したかなどについても記述してありますので、ぜひご覧ください。 pdfで閲覧する方はこちらをタップしてください。 概観初稿、第二稿で書かれた要素をモンタージュしつつ、さらに冒頭を大幅に書き直した。 また座談会を行い、それを文字起こしするなかで、「ロビンはこういうセリフを言ったほうがよさそう」

第二回座談会⑤富澤豊「馬の結石、虚実と生死のあわい」

かれら:つぎは富澤さんですね。 小野寺:富澤さん大丈夫ですか、いつも遅い時間(収録時は22時だった)まで会社にいますけど、帰れるんですか(笑) 富澤:大丈夫、大丈夫(笑)今、銀座のエルメスでシャルロット・デュマの展示がやっていますけど、これは馬がテーマなんですけど、エルメスというブランドも、貴族に馬具を売っていたところから始まってるわけですよね。そういう単純な繋がりもあると思うんだけど、そこを超えてすごく面白かったんですよね。すこし展示の説明をすると、一階と二階に分かれて

第二回座談会④小野寺里穂「人間視点の犬が出演する退屈、否定的に現れる予兆、存在しない出来事の演出」

小野寺:最近、コロナで外国の舞台の映像を色々見るんだけど、犬が舞台に上がってる率って高いんですよ。大きいプロダクションだと、お金もあるし。でもそこで出てくる犬は、あまりにも訓練されている。『パレルモ・パレルモ』でも、犬が出てくる場面では、舞台上に置かれた餌を静かに食べる。ロメオ・カステルッチの『神曲——地獄篇』でも、冒頭でカステルッチが防護服を着ていて、犬がカステルッチを噛む。めちゃくちゃ統率のとれた犬が出てくるんだけど、それは「犬じゃない」(笑)私が思う犬じゃない。「犬じゃ

『配置された落下』の記録映像と上演台本を公開します

山本伊等が2019年に制作した『配置された落下』の記録映像を公開いたします。本作品は、『NO PROGRESS』のメンバーは、なんらかの形で本作に関わってくれていた方々です。(クレジットには無い安瀬雅俊さんは楽ちん堂CAFEのメンバーとして、ご飯を届けてくれました) またこれまでの座談会でもたびたび作品名が挙げられてきた本作における中心的なテーマのひとつである「愛」については、山本伊等の中で『NO PROGRESS』と地続きになっています。こうした意味で、『NO PROGR

第二回座談会③ロビン・マナバット「アポロ一号の笑い、不幸を生きることのしあわせ、身体の硬さ」

かれら:では次はロビンかな。ロビンはテクストを作ってきました。どういう経緯でこれを書いたのか、軽くコメントをお願いします。 ロビン:はい!ロビンです。かれらの戯曲を読んでいるときに、今回挙げたザ・クロマニヨンズの『涙の俺一号』を聞いてたんだよね。このふたつは似てはいないんだけど、読むときに急に聴きたくなった。というのも、全部つながっていると思ったんだよね。戯曲には〈イヌじゃない。〉っていう文が一番最初にあるでしょ。でもそれは、イヌしか想像できない。このザ・クロマニヨンズの歌

第二回座談会②森健太朗(音楽)「舞台上で鳴るもの、マクバーニー、きららシティ」

かれら:では次は森健さん。音楽を作ってくれました。 森健太朗の曲はこちらから聴けます。 森:これはね、『配置された落下』(2019年。山本伊等演出の作品。森はその時も音楽として参加)のときの音楽に近いものになっちゃって反省してるんですけど、本当はもっとハイハットだけとか少ない音でやるつもりだったんだけど、色々触っていたら音が増えてしまった。でも次は全く違うふうにしようというプランは、一応あるんだけど……。今回は手グセで前のと似たものになってしまったという……。 かれら: