第二回座談会②森健太朗(音楽)「舞台上で鳴るもの、マクバーニー、きららシティ」
かれら:では次は森健さん。音楽を作ってくれました。
森健太朗の曲はこちらから聴けます。
森:これはね、『配置された落下』(2019年。山本伊等演出の作品。森はその時も音楽として参加)のときの音楽に近いものになっちゃって反省してるんですけど、本当はもっとハイハットだけとか少ない音でやるつもりだったんだけど、色々触っていたら音が増えてしまった。でも次は全く違うふうにしようというプランは、一応あるんだけど……。今回は手グセで前のと似たものになってしまったという……。
かれら:僕も『配置』を思い出しました。
森:近いものになってしまった。本当は最初のカチカチなってるハイハット、あれだけでリズムをつくれないかなあと最初はやってたんだけど、結局音が増えちゃった。ちょっと反省。
小野寺:以前森健さんと話した時に、舞台上でバンドをやりたいって言ってましたけど、その案はどうなんですか? ピナ・バウシュの『パレルモ・パレルモ』のなかで、ローソクを腕の上に立てたままサックスを吹くっていうシーンがあって、それを見た時に森健さんの話を思い出したんですよ。まあローソクは立てなくてもいいかもしれないけど(笑)
かれら:ローソク立ててドラム叩けばいんじゃない?
森:やだよ、痛いのは(笑)
かれら:ローソク自体はSMプレイ用の、火傷しないためにあんまり熱くならないやつを使えばいいんじゃないですか?
森:(笑)僕は作品に介入する感じでやるつもりは……。まあ舞台に立っちゃったら介入してしまうんだろうけどさ。
安瀬:おれはね、まずかっこいいなと思ったのと、それからこれを聞いてると、おれもその辺にあるもので音出したくなるんだよね。で、どんどん好き勝手鳴らしてガーッ!!となっていったら、面白そうだなと思って聞いてた。
かれら:森健さん的に、「音はオレだけでいきたいぜ」みたいな気持ちはあるんですか。
森:いや、全然。ただ次は、パソコンだけでやらなくてもいいかなあって思ってるんだよね、今は。だからバンドみたいな形式で、ライブ感覚でやれたらいいなあと思って。要するにさ、作った音を流しますっていうのはやりたくないなあと思ってるんですよ。
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