1月18日 NO PROGRESS稽古映像
稽古概要(担当:かれら)
今回は、前回の3時間の重い空気がどうなるか、というところで、みんな緊張感があったと思う。おれはまた話の続きになるかな、と思ったけど、そうして話していることが、いつのまにか演劇になっていた。そして、そのようにいつのまにか演劇になる、ということが、『NO PROGRESS』という作品を制作する際の、根幹を担うようなものにもなっている。
今回の稽古は、話し合いの緊張感がそのまま演技にもたらされ、不思議な緊迫感が終始続いている。ありがちな言い方ではあるけど、これを一ヶ月、二ヶ月と続けていくのが、一番難しい。
稽古コメント(担当:小野寺)
今回の稽古は、前回の3時間の話し合いから4日経って、新たな方法で演劇を立ち上げることに意識が向いていた。戯曲をそのまま上演するのではなく、4人それぞれにざっくりとした役割が与えられていて、各自がその場の判断で実行していく。そのとき、戯曲は足場となり、作品を拘束するものではなく役者をそっと支えるものとして、初回とは異なるあり方で機能していた。
このような方法で作品を立ち上げるとき、作・演出とは何なのかという問いが浮かんだ。特に今回はかれらくんも出演することから、リハーサルでも舞台上にいることが多く(終わった後に映像は確認する)、観客にどのように見えているかよりも、演じる主体として作品をどう動かすか/揺さぶるかに意識が向いているように思う。さらに、他の出演者3人も能動的に、時に勝手に動かなければ作品が駆動しない状態になっている。このとき、戯曲も演出も特権的な地位にあるわけではなく、各々の「いま、ここ」の緊張ある判断が重要になっている。音楽も、今回からもりけんさんが様々な音を試している。偶然の音と作品の出会いを常に探っている。
もちろん、出演者・スタッフ含めて役割がひとつに固定されているわけではない。わたしは今回、制作・衣装というクレジットで参加しているが、リハーサル中は演出助手のように美術をセットしてメモを取り、通しのコメントを言い、映像と写真も撮って駆け回っている。
次回からも、この方法でリハーサルは進んでいくだろう。手探りだが、非常にスリリングでだ。何度でもつくって壊していく。
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NO PROGRESS
——この不完全に、戦慄せよ。「NO PROGRESS」は、リアルタイムで演劇の制作過程を見ていただくことにより、より制作者に近い観点から演…
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