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特技や得意なものがないと嘆く

芸大在学中からなぜか、家庭教師の仕事を始め、子どもの教育に携わってきた。
「うちの先生、芸大生やねん。」
という珍しい状況ではあったが、美術学部とはいえ、学問のコース(美術史や芸術学)なので絵はほとんど描かない。

絵を描くことに抵抗がそもそもあり、
1回生の時のデッサンの授業では、絵を描くより配布されたパンを食べている時間の方が長かったし、野外写生ではふらふらと散歩している時間の方が長かった。

教授とも「絵が描けないのか?」「絵が嫌いなの?」という会話を交わすくらいだったが、合評の日(全員の作品を見る日)に完成品を提出したら
「絵、描けるやん。」といわれる始末。
そりゃ、描けるよ。入試でデッサンも色彩構成もあるやん。と思った。描けるけれど、自発的にはあまり描こうと思わないだけ。たまに描くけどね。

1万時間の法則というのがあるように、なんでも1万時間くらいやるとプロになれるという話があるが、
まぁ、確かにそんなに時間かけても飽きないってことは好きなんだろうしプロになれるな。と思わんでもない。
1万時間も取り組めることがすでに好き事ものの上手なれだよ。

例えば、1日2時間だと5000日(約13年半)、1日3時間だと約9年、1日10時間だと約3年弱。
それだけしたいならそりゃプロになれそうだ。

子どもの習い事で、週1回1時間として、その時間しかしないというなら、約209年もかかる。さすがに死んでる・・・・
レッスン自体は週1回1時間としても、自宅練習を毎日1時間追加してみると、1ヶ月32時間(レッスン日も自宅で練習するとして)、それでも26年かかりそう。

なるほど、つまり、

この子、才能あるかも?と思えるくらいになるには何か一つのことに一日3時間以上取り組んでも10年はかかるのだから、3歳で始めたことは中学1年くらいまで続けないとなんとも言えないのかな。

受験で芸大、音大、体育大学など特殊な大学を志望して受験する場合、高校の時点ではすでにそのルートの高校へ進学するからそれまでに1万時間近くを費やしていないとその道筋も見えない。
となると、小学校入学の6歳で開始して、約9年で進路が見えるのだから、やはり、一つのことに一日3時間以上費やさないといけないのか・・・

小学校はいったら一つのことを4時間すればちょうど中学の頃にはかなりいい線に行く。

なるほど。

そう考えると中学で強豪クラブチームに行く子は、平均すると1日4時間以上は練習に取り組んでいるね。オフもあるけれど、長期練習や、試合も含めたら平均して4時間以上になるね。

子どもの得意や自分の得意が見つからない って思っている場合は、もしかしたら費やす時間がまだまだ全然足りてないのかもしれないね。

好きでも嫌いでも何でもいいからまず、何かに4時間以上取り組むのは一つの自信になるものを探す道すじになるかもしれない。

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