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モラハラ彼氏と付き合っていたときの話〜③破局後編〜

仕事で初めて大きなミスを起こしたどん底の日に、ぼろぼろのメンタルのまま付き合ってしまったモラハラ彼氏Aさんとは、1ヶ月半であっさりと別れることになった。

そんなAさんと破局した後も、わたしはAさんの沼から2-3年ほど抜けられなくなった。
その事情と、振り切ることになったきっかけについて今日は綴っていこうと思う。

▼過去記事はこちら

①出会い 編
②交際中 編
③破局後 編

③Aさんと別れた後

別れてからしばらく、Aさんとは一切連絡を取っていなかった。

破局から半年ほど経った頃、高校の友だち(いつめん)4人で金沢へ女子旅に出かけていた。

その夜、部屋ではみんな大好き女子トークが炸裂していた。

そこでわたしは、Aさんとのギクシャクした別れを乗り越えるために、友だちとしてAさんに連絡をしたいと、いつめんに相談を持ちかけた。

そして女子会のノリの後押しもあり、勢いでAさんにLINEをした。
もし連絡が返ってこなくても、女子会のテンションで乗り切れる、と思って。

すると、1時間もしないうちに返信が来た。
普通の返信で、なんだか安心したし嬉しかった。

そこからちょくちょく連絡をするようになり、一度か二度、ご飯を食べた。
(もちろん、キッチリ割り勘)

8歳も年齢差があったので、“元彼”ではなく“先輩”みたいな関係で話ができた。

その後、わたしにも無事新しい彼氏ができ、その期間はAさんには当然一切連絡を取らなかった。

しかし、新しい彼氏ともすぐに破局。
寂しくてたまらなかったわたしは、Aさんに連絡をしていた。

でもAさんは、わたしには会ってくれなくなった。

もともとAさんは交友関係が激しく、経験人数は100人を越していると自慢していたほど、そういう欲求も強い人だった。
(今振り返ると、そんな自慢をする男性なんて最低だ)

だから、わたしと会う条件も、
「ヤらせてくれるなら会う」と言ってきた。

さすがに元彼女への態度ではないと思い反論すると、

「学歴も職歴も顔も大したことないくせに調子乗ってんな」
「おまえも低レベルな女」

など散々な言葉を浴びせられた。

それでもなおわたしは、折に触れてAさんに連絡をしてしまっていた。

きっと、なぜこんな最低な人に執着するのか?と多くの人は疑問に思うだろう。

これこそが、モラハラ被害者が陥る罠なのだ。

わたしは先ほど書いた通り、Aさんに“執着”していた。つまり、“好き”ではないのに連絡をし続けていた。

何に執着していたかというと、根底にあった気持ちはただひとつ。
「Aさんにもう一度認められたい」
だった。

付き合う前は、あんなにわたしを魅力的だと言ってくれて褒めてくれた。
でもわたしは、Aさんにとって魅力的ではない女性に成り下がっていた。
だからもう一度、わたしを認めて褒めてほしい、その一心だった。

今のわたしから見れば、
「そんな最低なヤツに認められなくても、大切に思ってくれる人なんてたくさんいるじゃない!」
「わたしが成り下がったんじゃなくて、そいつの基準がおかしいんだよ!」
と叫びたいが、当時のわたしは違ったのだ。

人間は、何かを得るより何かを失う方が大きく感情が動くと言われている。(プロスペクト理論)

このときのわたしは、まさにそれだった。
一度手にしたものを失ったことへのショックが大きく、何とかしてもう一度手元に戻そうと必死で周りが見えなくなって、Aさんに固執していた。

破局後2年ほど経った頃には、Aさんとは関われば関わるほど自分が傷つきぼろぼろになることは分かっていた。

でも、Aさんはわたしにとって麻薬だった。

身も心も滅ぼされるのに、Aさんに認められた時のハイになる気分を求めて、どんどん手を伸ばしてしまった。

しかし、そんな悪循環にも終わりを迎える時がきた。
そのきっかけは、他ならないAさんからの言葉だった。

また別の彼氏ができて別れた後、毎度のごとくAさんに連絡をした。

ひととおりAさんとメッセージをやりとりした(そして当然ひどいことも言われて傷ついた)後、Aさんからこんなメッセージが来た。

「いつまでも俺に連絡してこないようにがんばれ。退路を断つんだ。」

このメッセージを見た瞬間、雷に打たれた気分になった。

いつまでもAさんに執着していたこと、それがある意味寂しさの逃げ道になっていたことを、Aさんもわかっていた。
そして、それをハッキリと、しかも今度はひどい言葉ではなく伝えてくれた。

その時に、なんだかスッと心が軽くなって、あれだけ執着していたAさんへの気持ちが、本当に綺麗さっぱり消化された。

そしてわたしは、Aさんにお礼を伝えて、ブロックし、LINEの友だちから削除した。

連絡を取る手段は完全になくなった。
やっと解放された。
不思議と、気持ちだけでなく身体も軽くなった。

こうしてわたしは、Aさんという麻薬、いや、モラハラの被害を3年ほどかけて克服した。

今になって思うのは、
・最初の違和感を大事にすること
・自分を傷つける人とはすぐに距離を取ること
がとても大切だということ。

初めて会った日に感じた、
「自慢が多いな」という違和感。
「ブス」なんて言葉をかけられた悲しみ。
これらを見過ごしてはいけなかった。

だからこそ、そんな気持ちを見過ごしてしまうようなメンタルの時は、新しく人と会ってはいけないと学んだ。


…やっとAさんとのエピソードを書き終えた。

人間の記憶とは便利なもので、Aさんとの嫌な思い出はもっとたくさんあったはずなのに、忘れていることが多かった。

その中でもこうして覚えていることを文字にしたことで、最低な人だったと改めて気づけたし、この恋愛からの学びも得られた。

この時に失った自信や自尊心を完全に取り戻せているわけではないが、わたしは少しずつ前に進んで、わたしのことを大事にしてくれる人を見つけていきたいと思う。

決して読んでいて気持ちのいい内容ではなかったと思いますが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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