商談をしていると世界地理の勉強になる

今日の商談は面白かった。

プレーヤーが少ないので業態を書くのは控えるが、「オーガニック」という考え方を推し進めたい企業の広報担当者にお会いした。

商談の中ででてきた、日本と欧米のオーガニックに対する意識レベルの違い、そしてその理由についての話が興味深い。

話によると、何とアメリカのオーガニック市場は2兆円にもなるらしい。国民全体にオーガニック野菜などに関する考え方が浸透しており、食べ物を選ぶ基準として「オーガニックであること」が一つの指標となるのが普通だとか。

最近、日本で普通に生活をしていてもよく耳にするようになったワードで、雑誌でも何やらよく特集されているようなので、流れが「キている」のかと思われがちだが市場規模は実はまだ1億円程度らしい。1億円って、めちゃめちゃ少ないですよね。私も1年半くらい本気出せば受注できる。

とはいえこれは一つの「伸びしろ」であることは間違いなく、人口規模でいったら1兆円、つまり現在の10倍にまで発展しうる市場なわけです。

そこで気になるのが、現状なぜこんなに認識の差があるのか?ということ。

自然に考えていくと思い当たるのが、日本は欧米(特にアメリカ)に比べて危機感を持ちにくいから、というもの。

小学校中学校の教科書でも見たことがある人も多いと思うが、アメリカの大規模な農業経営、というと地平線が見渡せるほど広々とした農場に規則的な間隔をあけたスプリンクラーがあり、スプリンクラーは水もまいているのだけど農薬もぷしゃーっとまき散らしているみたいな、そんな光景だ。

今だとドローンでまいたりもできるよ、というような記事も目にしたことがあるような気がする。

「それに比べると日本の野菜って(それだけで)安全だよねー」となるのはある意味自然な感覚ではないだろうか。

しかし、広報の方の話によると。それ以上に文化的歴史的な相違が日本と欧米(特にヨーロッパ)にはあるという。

日本で「オーガニック」というと、健康、安心、体に良い、普通の野菜よりおいしい、などのイメージが喚起される。結果、オーガニックな野菜を実際に購入したり食べたりするのは、妊娠した妊婦さん、もしくはお子さんが生まれたお母さんが多いのだという。

しかし欧米ではオーガニックに関する認識が大きく異なっており、「土地」「環境」というワードが真っ先に紐づけられるのだそうだ。土地を守る、土壌を大切にする、という考え方が根付いているヨーロッパでは、その視点で自分自身が食べるものも選択する。幼児の頃から土地や環境に関する教育が充実しているため、自身が農家とは関連がなくても、購入の際に環境に配慮するのは自然な感覚なのだ。

単なる食のトレンド、世界のトレンド、国民性の違い、などかと思っていたものは実はより根本にある地理的な側面に影響されたものだったりする。

こんなことまで勉強できてしまうなんて、何て商談って面白いのだろう。

尚、上の話は全く提案に関係がないが、今日の私の提案は先方が面白いと言ってくれたし、検討してくれるようだ。提案を喜んでくれるのも、相手が前向きになるのも嬉しいから、やっぱり商談って最高におもしろい。

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