【痙攣性発声障害レポ】殻月陽琴の場合①アレ、声が変だ 音声外来に行こう
初めまして。殻月陽琴と申します。
Vtuberになってゲーム配信してましたが、最近は3DCGモデリングや台本をお借りしてキャラクターに声を当てたり、声のご依頼を受けたり。好きなことやってます。
挨拶もそこそこに。
私は二つの音声専門の病院を受診し、痙攣性発声障害 と診断されました。
この病気はまだまだ知名度が低く、同じことで悩んでいる人がいるかもしれないと思い、備忘録として残しておくことにしました。
病院によると思いますし、患者の症状も十人十色ですが、どんなことするんだろう?と気になっている方の参考にもなると嬉しいです。
痙攣性発声障害とは何か?
一部引用します。
私は内転型です。
難しい言葉が多いので簡単に言うと、自分は締めようと思ってないのに脳が指令送る過程でなんかバグるみたい。勝手に締まり、苦しそうな声になります。ついでに震えます。
治療法としてはボトックス注射で強制的に喉に力を入れられなくする、
甲状軟骨形成術Ⅱ型という手術で喉の軟骨を縦に割り拡げ、チタン製の器具を埋め込む、
甲状披裂筋(声帯筋)を切除する、などがあります。
違和感を感じたきっかけ
私は暇があるときに歌を録音する習慣があります。
2023年6~7月ごろぐらいからでしょうか、出だしの音が出にくい、聞いていて苦しそうなことに気づきました。
最初は風邪でもひいたかな?コンディションが悪い日もあるか、そんな風に考えていましたが…
悪化
気づいたら何回音引っかかってんだよ!ってレベルまで悪化。
役を演じる時にも支障が出始めました。音がとにかく詰まるんです。
何回も同じセリフを録音してまだマシなところを切り貼りした音声でしか納品できなくなりました。(毎回同じところが引っかかる)
歌も、長く伸ばすところで不規則なビブラートが勝手についてくる。
仕事の時に声掛けが必要な時も最初の音が引っ掛かりまともに出せない。
いずれも、数年前までは出ていなかった症状です。過去の音声と聞き比べても明らかにおかしい。
このままでは声のご依頼を受けたときに充分なクオリティの音声を納品することが出来ない。と危機感を持った私は2023年11月に音声専門病院の受診を決めました。
いざ病院へ(一件目)
病院に行く前にネットでたくさん調べてもしかしたらこの病気かな?と目星はつけていたので、
万が一手術する場合ここで受けたいな、と思う病院をまず受診しました。これが一件目です。
いきなり先生の診察、ではなく小さい部屋に通され、音声の検査をしました。
筒のようなものを咥えて「ウー」という検査、マイクに向かって「アー」という検査など。指示に従って声を出すだけで難しいものは特になかったです。
そしていよいよ先生の診察。事前に書いた問診票に従って色んな質問をされました。いつからその症状が出たかとか、どんなときに症状が出るかとか、症状がひどい時の音声は持ってきてますか、とか。
私は上記の通り普段から音声を録音していたので、症状が全くないときの歌声と最近録音した歌声をスマホでそれぞれ流しました。(恥ずかしかった)
病院行くときに限って調子良かったりするんですよ。だから、前もって症状が出ているときの音声を録音することをおすすめします。
私はGoogleドライブにデータを入れて持っていきました。
一通り質問され終わったら、鼻からカメラを入れられます。例えるならインフルエンザの検査するときの綿棒くらいの太さかな?でした。これは病院によると思います…(後述)
声を出すように言われます。「えー」「おはようございます」「いらっしゃいませ」など。
次に、先ほど撮影したカメラの映像を見ました。
自分の声帯を見る機会ってなかなかないので、まじまじと見てしまった。
「声聞いて。音が震えてるでしょ。痙攣してるんですよね。あとこれ見て。声帯のここ、泡立ってるでしょ。これね、力入ってると泡立つんです。痙攣性発声障害の可能性が高いですが、過緊張も入ってるね。(喉に力が入っている)」
という診断を受けました。
手術できるならさっさとして、治したいな。そう思った私は手術を希望したのですが、
先生が、重症患者の動画ファイルを取り出し見せてくれました。
「この人、ほとんど声出てないでしょ。ここまで重症だと生活に支障が出るから手術するんだけど、殻月さんはそこまで重症ってわけじゃないからなぁ。重症じゃなくても手術する人はいるんですけどね。殻月さんは声優活動をしているということで。手術をすると、確かに声は楽になるかもしれない。けれど今度は掠れ声になってしまったり、声質が変わってしまうし様々なリスクがある。手術すると完治すると思ってる人いるんですけど、そうじゃないんですよ。いきなり手術するというのは、ちょっとおすすめはできないですね。
まずはお薬を出しておきますので、様子をみて次は言語聴覚士によるボイストレーニング、それで改善されなかったらボトックスや手術を検討しましょう。」
と、診察を終えました。8000円くらいでした。
さらに病院へ(二件目)
手術を覚悟して行ったものの段階を踏んで治療を試みるということで。
一件目の病院は私の家からは遠かったので、近所の病院を紹介されました。
セカンドオピニオン的な意味も含め(信じてないわけじゃないけど)、こちらでも診察していただくことにしました。
やはりこちらもいきなり先生の診察ではなく、音声検査を行いました。
こちらは発声の秒数を測ったり、息を吐ききる秒数を測ったり、マイクに向かって「アー」と発するものでした。
あと出せる音域の確認。
さあ、いざ先生の診察へ。
一件目よりややふんわりかな?問診票は書いてたので、それの確認とやや先生の質問があったくらいでした。
そして鼻カメラ。….ふ、太い!!一件目より二倍くらいないか!?!?(言い過ぎ)
すっごい痛かったけどなんとか入りました。血の味がした。「あー」「こんにちは」「いらっしゃいませ」、あと何かの文章?先生の言葉を復唱などしました。
そのあと、あごの下とか、声帯付近とか、ぐっと抑えられながら発声しました。声色が押す場所によって変わって面白かった。
「痙攣性発声障害の可能性が高いね。過緊張の人って首触ったときの発声で声が楽に出る人が多いんだけど、殻月さんは変わってないから、もしかしたらリハビリしても意味がないかもしれない。全く緊張してないわけじゃないんだけどね。」
と、言われてしまった。
「キャンセル出たから、試しに一回リハビリやってみる?何回かやってだめだったら別の方法を試してみよう。」
もしかしたら効果があるかもしれないし、やれることは全部やるつもりで、リハビリをやってみることにしてみました。
言語聴覚士さんによる音声トレーニング(初回)
リハビリ用の問診票を書き、それに従って受け答え。
生活の中で大声を出すことはあるかとか、仕事ではどうかとか、酒とかたばこは吸うかとか。
それが終わったら、録音されました。
紙を渡されて、その通りに読む。
普段のしゃべり声でフリートークしてから、
あ、い、う、え、お だったり あー いー うー えー おー だったり。
息吐いたり。文章読んだり。
あとまた音域チェックでした。
そのあとは舌の柔軟だったんですけどこれがまたカチカチらしくて。
舌先が尖り、奥の方が盛り上がっている。舌に力が入っているらしいです。
それを柔らかく平らにする練習と、その状態で声を出しても柔らかさを維持できるように練習しました。プラス、左右に舌を動かす時も平らで、声を出すときも平ら。難しい。自分が普段如何に力が入ってるか思い知らされました。
次は、マッサージのやり方を教えてもらいました。あごと、その両端と、声帯付近と。
一回やってもらったんですけど痛ってえ!いってええ!!
それだけ筋肉が張ってるんだそうです。
首なのにそんな骨ぐにぐにしていいんだ、って思いました。
暇なときにやります。柔らかくするぞ。
初回はこんな感じでした。診察とリハビリで9000円くらいでした。
終わりに(音声あり)
家に帰って声を出してみたんですが、マッサージやる前より声が前に出やすい印象を受けました。声はがらつくし治ったわけではないけど。
やはり一朝一夕には行かぬ。
薬も飲みつつ、何回かリハビリに励みます。次のリハビリは12月の初めなので、また備忘録として記したいと思います。
音声があったほうが後々比較しやすいと思うので、置いときます。
【フリートーク的な】
【一音伸ばし】
長くなってしまいましたが、ここまで見てくれてありがとうございました。
ではまた。
参考になったらご検討ください!