カラテワールド
僕はカラテが嫌いだ。
人を殴るなんて野蛮だし、何故こんなものが必修科目なのかがわからない。
国語算数理科社会カラテ。
このカラテさえなければ有名中学にだって行けたんだ。
でも仮に僕が良い中学校に入れていたところで、どうせまたカラテの壁にぶち当たる。
高校大学就職昇進。
これら全ての関門でカラテは必ず試される。
そうなれば僕はどこかで負け、底辺として生きていくことになる。
バカバカしい。
だから僕は家出して、自分からドロップアウトしたんだ。
カラテ強者だった父さん母さんに恨みがない訳じゃないけれど、それでも家を出る時には後ろめたい気持ちになった。
どこかに居場所を見つけたら二人に連絡をしようと思った。
けれど、そんな場所はどこにもなかった。
カラテポリスに補導されないため、僕は公園で寝泊まりすることにした。
そこで僕は、カラテの妖精タデシに出会ったんだ。
「お願い。カラテワールドを助けて!」
【続く】
メイクマネー、したいのさ。