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朝陽と共に心たぎる

多様な人々を愛するために多様性を選ぶのではなく、1人1人を愛するために多様性を選ぶ。

・・・今の僕には、この意志が沸々とたぎっている。

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今回はフォトグラファー「ミスズヨコヤマ」の写真をサムネイルに使用し、写真を見ながら湧き上がった想いを綴ります。

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『多様性』という名の朝陽がどれだけ昇っても、世界の夜は深まるばかりだ。

現代は、「1人1人は違う価値観を持っている」という事実が幅広く認知され、それを尊重して、個々のスキなものへとチャンネルを合わせやすくなった。

一方で、「見たいものだけを見続けること」だって、できるようになってしまった

僕らは、気がつけば自分のスキなものだけに囲まれていて、それこそが”世界”なのだと容易く思い込んでしまう。

自分の中に潜む多様性には敏感でも、自分の”外”にうずくまる多様性を選ぶ機会は、減るばかりだ。

自分に関心を寄せるばかりで、世界に関心を示さない。たとえ世界に興味を抱いても、その情報のイイトコだけを抜き取って、自分をもっと知ることやアピールすることに使ってしまう。

世界のことを、より深く知ろうとはしない。

ときたま、既知のものを懐かしむだけでなく、未知のものへと目を向けて、多様性を選んでみようとはするけれど…

その中から『自分のスキ"だけ"』を選び抜き、ふるいにかけてしまうこともしばしば。

価値観の外側へ出ることは、なかなかない。

これまでの自分とは相容れない価値観の存在を認知することこそが"多様性"なのに、スキだけが目移りしやすい環境に、僕らは在る。

多様な物事を知れる時代だからこそ、「私はあれがスキ、これもスキ。」と、己の内にある価値の多様さを周知することに、みな精を出している。

僕らの世界を夜へ誘うのは、こうした”共感”という魔物なのかもしれない。

・・・しかしこの傾向は、『孤立や分断』といった”夜”を呼び込む。

そして、『信頼や受容』といった”朝”を覆い隠してしまう。

だからこそ、「多様な人々を愛するために多様性を選ぶのではなく、1人1人を愛するために多様性を選びたい」と、僕はそう思うのだ。

・・・ところで、あの日昇った朝陽が自分のスキな色や雰囲気だったとしても、同じ光が毎日昇るわけじゃない。

似たような空色はまたいつか来るかもしれないけれど、日々移り変わり、曇り空も雨空もやってくる。

空模様は、多様に移ろいゆく。

その自然を僕らが受容するには、空と共に、心持ちを移り変える必要があるのだと思う。

僕があの時スキだった朝陽をどれだけ待ち侘びたとて、今日の空色を変えることはできない。

けれど、あの朝陽に見惚れた時間は、自分にとって唯一無二なもの。

…なのに、温かな朝に迎えられ、特別な空に抱きしめられたようであまりにも心地よかったから、また同じ陽を待ち侘びてしまう。

「自分が特別であること」を僕らはどこか追い求め、変わらぬことでその唯一性を保とうとしてしまう。

しかしながら、「自分がどれだけ移り変わろうとも、あの人にとって自分が唯一無二の存在であることは、ずっと変わらない」と、そう信じることを忘れたくはない。

他者と視線を合わせれば、私にとっての唯一無二を、"私たち"にとっての唯一無二へと変えることだってできるから。。

・・・僕らの価値観は、移り変わってゆくのが自然だ。

昨日までSDGsなんて意識しなかったのに、今日になればコンビニでビニール袋を断っている。

無知⇒未知⇒既知へと知識が深まるほどに、多様に変わってゆく。

だからこそ、価値観ではなく『信義』を変わらずに守り続けたい。

1人1人を知ることに力を注ぎ、愛が芽生え、燃えたぎるような情熱を態度で示す。相手を信じ頼り続け関係性を耕すことで、相手を守ることの意義がしだいに固まってゆく。

「あの人を大事にする」と、未来の自分に結んだ約束を守り抜きたい。

相手を深く知れば知るほどに、新鮮な想いがたぎり、守り方もしっぽりと変わってゆくけれど、それが自然なのだと思う。

時には"解放"も必要で、だからこそ、それをもたらす非日常を創造したい。

日常を懸命に楽しみながら、自然の移ろいを受容していこう。

夜を超え、迎えた朝と共に心たぎらせ、1人1人を愛するための多様性を僕は選びたい。

晴れに好かれる人もいれば、雨に好かれる人もいる。

さらに、空から愛されるためには、風を読み、呼吸を合わせ、多様な空模様を受容する必要があるのだろう。

・・・多様な朝陽を待ち侘びて、「1人1人を愛するということ」から、まず始めたい。

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他者の日常を想像し、共に、非日常を創造したい。

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【朝陽を待ち侘びて】の連載は、今回で終了となります。

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

サムネイルの写真には、ミスズヨコヤマが撮った写真を使用しました!

『夜明け』をイメージする写真を彼女から購入し、イメージを膨らませ、このnoteを書き上げています。

これまでは僕自身で撮った写真のみを使っていたので、また新鮮な想いがたぎって書くのが楽しかったです…!

まだテーマは決めていないですが、今後も毎週日曜の夜にnoteを更新して参ります(^^)

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