共感覚表現と食レポ小説
#ゆる言語学ラジオ では共感覚を食レポに入れるとあるけど、ざっくり有名どころ食事系の #小説家になろう 作品読んだらむしろ素直な表現で、食レポと小説は違うし、どちらかというと登場人物が魅力的に描かれる内容だった。
ゆる言語学ラジオさんを愛聴しております
最近の食事を言語で記すシリーズが面白いので、『小説家になろう』のご飯系有名どころ冒頭を読んでみました。
小説ではモモのミヒャエル・エンデさんとかナルニアのC・S・ルイスさんが『ももいろの声』などの表現を多用するし、ファンタジーだと結構あるね。視覚表現なのに匂い入れたり、聴覚表現なのにオノマトペは皮膚感覚だったり。
ゆる言語学ラジオ食レポ回三回分のまとめ
1 味覚や嗅覚は保存できないので、ソムリエは『猫のおしっこの匂い』(※褒めてる)など独自言語でラベリングすることで似たワインを分類ファイリングしている。そのため彼らは『美味しい』とか感性系より言語野が働く。
3 共感覚表現を使うべし
果たしてヒット作や作者が料理評論家として有名どころの小説家になろう作品は共感覚表現を第一話の最初の食事に使っているのか
そーいえばテンプレとか性癖いう人はいるけど、五感表現したりそれを混ぜて共感覚的表現しなさいっていう作家さんうちのタイムラインでは見かけないけど、あまりに一般的なのかしら。
気になったので思いついた有名どころ冒頭を読んでみた
書籍になりアニメになりあるいは作者が料理評論家として有名な人を選びました。勝手に出してごめんなさい。
異世界食堂
基本的に共感覚表現は少なく素直な表記だが、視覚で見えてない調理を聴覚で補ったり、キャラクターの描写で上流階級出身かなとかを推測できる。
青い水差しにソースが入っているのもタメでいいなあ。
最後に食事をしていた人物の素性がわかるのが叙述ミステリーぽくて良い。
異世界居酒屋のぶ
まず登場人物のアクションが目立つ(紹介)。
トリアエズナマ、ジョッキが冷たい。
登場人物の階層は高くはないが、視覚で危険がないか調査、五感のうち皮膚(温感)を先に表現。
獣にエサを与えたときの最初の反応に近いが匂いは嗅がない。
枝豆は皮膚感覚とともに遊び味だった。
この『遊び』味は新鮮かつ読者も楽しい体験で、枝豆とビールを楽しんだ人には共感できる。
異世界駅舎の喫茶店
何を出すか明示(ネタバレ)することで逆に期待を高める手法。
出すために技術的課題解決が面白かったんだろうなあと憶測できるが一話では全部描かれずタメとなる。
下準備と片付けも料理の楽しいとこという描写が目立つ。
共感覚表現がやっと出た!?
文章の2/3経過から一発だけ共感覚を入れることで、『ここから注目!』になっている。
また、この物語は食レポというか、サービスや下準備や後片付けも味のうちと示す。
そして一話時点では食事がない。
これはどういうことか。次の紹介に移る。
とんでもスキルで異世界放浪メシ
こちらも一話はメシはでないタイプだけど主人公の固有スキルが凡庸なアカン召喚系物語冒頭の文章中で際立つ。
二話串焼きでわかる変動相場でない事実。
食事提供はコソコソ! 主人公は料理上手と明示。
そして調理描写の文章は本当にチャッチャと終わる。
メシ目当てに従魔。
読んで思うこと。
冒頭を読み比べた中では、食事の描写がすごく少ないのにうまそう。
結論
有名どころみたら、#ゆる言語学ラジオ さんの食レポ書き方に反して、#小説家になろう における人気食事作品は共感覚を使わず素直に表現し、どちらかというと登場人物が好人物として描いている感じがしました。
あくまで物語や、登場人物が好きになる作品であり、食事がメインに見えて(※実際みなそれぞれ異なる手法を示して美味しいと表現している)物語やその登場人物が如何にあるかの方が大事である。
なので、五感表現で変な食べ物なのに匂いを嗅いでみなかったりつつかなかったり遠巻きに観察したりをしなくても、匂い表現がないなら『安全』と判断したのだろうとか推測できる。
また、共感覚(※虹色の匂いとか)表現や五感で何を感じたかを描くより削ることも多い。
小説であって食レポではないから手法が違う。
自称元貸自転車屋 武術小説女装と多芸にして無能な放送大学生