岩手県で初の新型コロナ陽性確認とGoToトラベルについて
先週、新型コロナウィルスの国内における新規感染者数が過去最多を更新する日々が続いた。それと同時に政府肝いりの政策「GoToトラベル」が始まった。
そして本日、今まで感染者が確認されていなかった岩手県で二人の感染者が確認されたことが、達増知事と盛岡市の谷藤市長の共同会見で明らかにされた。
これは一体何の茶番なのだろうか。私には迷走しているように見える。
大義名分としては経済の話がある。
もっともなことだ。我々にはコロナの前に日々の生活がある。人間である限り、水を飲み、食事をし、排泄し、睡眠をとらなければならない。生けている限り誰かが働く必要がある。経済活動の本質である。
ただ、コロナに関しては一筋縄にはいかない。
今回のキャンペーンにしろ、他の経済政策にしろ基本的には「回復」という視点である。制度を定めることにより、需要を喚起する。コロナにより影響を受けていた業種を救うための策だ。
しかし、今現実で起こっていることは一時的な問題とは安易に片づけられない。客観的に見て、コロナの問題が完全に解決するのは数年先のことだと思う。
結論から言うと、「経済の回復」ではなく「経済の変化」をテーマに制度を考えるべきだ。いわゆるウィズコロナの問題。
すでに世界のルールは変わりつつあるのだ。新しい生活様式が政府主導で叫ばれているが、問われているのは生活だけではない。経済そのものも問われているのだ。
これからの数年で多くの職業が淘汰されていく可能性がある。コロナにより世界の仕組み自体が変わりつつあるからだ。生き延びたいなら新しい世界に適応しなければならない。
政府に求められているのはそのサポートだ。古い経済から新しい経済への変換。それをうながす制度が求められる。景気回復に力点を置くGoToキャンペーンでは焼け石に水だ。それどころか率直に言って感染拡大を招く危険性が高いと思う。
何度も言うが、いま求められているのは新しい生活様式に沿った新しい経済活動だ。そのヴィジョンを、新しい経済の在り方を政府に描いてほしいのだ。
テレワークの推進、オンライン会議、ジョブ型雇用、ニューノーマル‥
様々な言葉が飛び交い、戸惑いを感じることが多い今日この頃。先のことは何もわからず、考えだすと際限なく不安が出てくる。特に私のような派遣という不安定な雇用形態の人なら尚更だろう。
だからこそ心構えだけは日頃からしておくつもりだ。何が起きてもいいように。この世界に、確かなことなど一つもないのだから。