アパマンの爆発事故について思うこと

今日発売の週刊文春に、アパマン従業員にスプレー缶のノルマが課せられていた、という内容の記事が出ている。


記事によると、借主と契約するとき仲介手数料以外に「消臭・抗菌代」などをつけるノルマが、本部から直営店に課されていたとのことだ。消臭作業は店舗スタッフが消臭スプレーでやるのだが、1Kの部屋に10本分の値段をつけていたようだ。

しかし、本当にその本数で作業をすると床が水浸しになる。だから余剰分のスプレー缶は店舗保管となり、定期的にスタッフが廃棄作業をしなければならない。


今、ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』を読んでいるのだが、その中の”虚構のアルゴリズムに現実をすり合わせる”という概念が連想された。
宗教、政府、学校、企業など権力の大半は、虚構を現実に押し付ける能力にかかっているのだ。
その通りだと思う。


アルゴリズムの一部となってしまった人間は――大半は社会的弱者だ――、それがいかに馬鹿げたことか不審に思わなくなる。例え思っても、行動を起こすことはしない。
なぜなら、自らの生活が、そのアルゴリズムを維持することにかかっているからだ。


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