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パグとの出会い

1986年の映画「子猫物語」の子猫、チャトランの相棒役がパグのプースケだった。

子供だった私はそのパグのプースケの鼻ペチャで愛らしい姿の虜となった。


ある日商店街の裏道を歩いていた時に、どこかで見覚えのある犬がスラリとした女性と一緒に歩いていた。

『うそ!まさか!あの犬は!!!』心の中がざわめいた。

その女性と犬が通り過ぎその後ろ姿に悶絶した。

『プースケだぁぁぁぁぁぁ!!』

心の中は生プースケというよりパグの登場に舞い上がり、今すぐ絶叫して踊り狂いたいほどになった。

急いで家に帰り母に

「プースケがいたの!パグのプースケが歩いていたの!」

と叫んだ。

どうやらしょっちゅう商店街を行き来している母も見たことがある様な口ぶりで笑っていた。

それからの私はいつあの場所でまたパグに会えるかを楽しみにして生き始めた。

くるりんとした尾っぽ。肌色(正確にはフォーンという毛色)で触りたくなるフォーム。O脚の短い足。黒くて潰れた鼻。垂れ下がった黒い耳。くりんくりんの黒い瞳。その総てにぞっこんになった。

それからは夢のひとつが「パグを飼うこと」になった。

結局、近隣に住んでいるであろう遭遇したパグとは時折しか会えず、声を掛けることも出来ず、時々見かける後ろ姿をただ見つめるだけの子供時代を送ることになった。


それから十数年後に強い強い想いは叶った。


ペットショップで売られていたパグと出会った。犬を飼って良い条件は満たしていた。その条件とは昔、親戚のおばさんが言っていた『結婚してから犬は飼いなさいな』という言葉だった。子供だった私は結婚したらパグが飼えると信じていたからペットショップのパグを前にその出会いに感激していた。

2003年9月に女の子のパグの仔犬と私は家族になった。あれから17年、パグの仔犬は老犬になった。この17年間のお話しはまた機会が巡ってきた時に。


今日11月1日犬の日にて。



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