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虎穴に入らずんば虎子を得ず、海外に行ったら髪を切れ

ルワンダに来て、はや1週間。
アフリカが足りないという未知の言葉に惑わされ、この地にやってきて、はじめのうちは困惑もあったのですが、だんだん慣れてきました。
 
ルワンダの首都のキガリという地域に住んでいるのですが、下の写真のように、日本人の考えるテンプレアフリカ像とはかけ離れて絶賛発展中で、途上国とは思えない部分があります。(この辺についてもまた書きたい)

それでも生活の節々にアフリカを感じることもあります。たとえば、鉄道なんかはありえなく、移動は基本バイクタクシーとか、水が出ないことがざらにあったり、物乞いにあうことも珍しくはないです。

ただ、ここではそんなことが書きたいんじゃない!!

ここ最近のみなみの悩みとして、”アフリカが足りない”という言葉に魅せられたにも関わらず、日本の便利な生活に戻ると、その便利さに溺れ「ああ、日本は便利でいい国だなあ」とか「ルワンダは夜景がきれいでいい国だったなあ」とか言って、身体に刻もうとしているアフリカの成分を忘れてしまうのではないか、単なる思い出となってしまうのではないかと、考えています。

難しいのは、これを達成すれば自分の価値観や人生軸に、アフリカを刷り込めるなんていう明確なゴールがないことです。(1カ国だけ訪れて、それを感じようなんていうのもおこがましい話)

じゃあ、自分に今何ができるか。
みなみは少し考えました。
自分の人生で何がなしたいとか、そのためにアフリカで何が見たいかとか、もちろんそういう思考も大事です。大事なのですが

至極単純なことに気が付きました。
あれ、今の俺ってまだまだ日本まみれじゃない?
日本の本読んで、日本の服を着て、甘いもの欲しさに持ってきた水ようかんを食べて、アフリカが足りないとかいって、日本人という鎧を着たままだということに。

それからは、合う合わないはあるかもしれないけれど、少しずつでもルワンダのことを知るために日本人という鎧を外して、できることからルワンダを体に取り入れる努力をしようと考えるようになりました。

まさに虎穴に入らずんば虎子を得ず
日本人だからこれはしない、これは食べない、ここには行かないなどというバイアスに縛られたら、アフリカを感じるなんて100年早いって話ですよね。別に死ぬわけでもないし、リスクでもないんだから、ちょっとだけいつもはやらないことにも挑戦しようと。そのちょっとした思い付きがあんなことになるなんて、、、

ここからが本番。
話は変わって、アフリカでも人間の生活というのは衣食住を基本として大きくは変わりません。僕も一応人間です。髪を切らなければならなくなりました。

簡単に当時の僕の散髪事情を解説すると、僕には3つの選択肢がありました。
➀現地の美容室に訪れる(未知)
➁知り合いの日本人に切ってもらう(プロではないが無難)
➂いつもはもう少し伸ばしているし、まだ切らない(問題の先送り)

当然、先ほどのような「アフリカが足りない」問題に対して、アフリカの生活をもっと感じようと努力する、ちょっとでも挑戦するという結論を出した僕がとる選択肢はもちろん ➀現地の美容室に訪れる

「郷に入れば、郷に従え。現地の美容室の人におすすめで髪を切ってもらおう」という浅はかな考えを持っていました。浅はかですねえ。

実際に通勤路の途中に、美容室らしき看板は見かけたことがあったので
ちょうど休日だった僕は意気揚々と

「Will you please cut my hair ?」と店員さんに尋ねました。しかもなぜかちょっと自信ありげに。

店員さんは突然の外国人の来訪にも迷うことなく、「OK!!」と答えてくれました。いい笑顔。

用意された席に座り、僕はどきどきしながら、前もって準備していた「おすすめの髪形にしてください」という英語を使ってやるぞ、さあ使ってやるぞと身構えていました。中学生とかが覚えたての英語使いたくなるのと同じだよね。

ところが店員の彼は、僕に何も聞かずに当たり前のように、でかいバリカンを持ってきました。そしてあろうことか、僕の髪の毛をバリカンが頭皮にふれるくらいの勢いで刈っていきました。この時僕は、僕の髪形や髪の毛の走馬燈を見た気がします。そして覚悟を決めました。

「坊主にされる」、と。

思えば、フラグは立っていた気がします。この国では現地人の男の人の9割は坊主かそれに近い髪形です。そして聞いた話では、この国のお風呂事情として、男の人は基本坊主で、女の人は編み込みをしているから頭を洗うという概念はあまり存在しないらしいです。

そこからの時間は一瞬でした。見事に髪の毛が刈られていき、思わぬタイミングで人生初の坊主を経験することになりました。なってみると別に悪いものではないですね。心なしか、現地の人が前よりも挨拶をしてくれるようになった気がします(気のせい)

僕が言いたいのはそんなことじゃない。せっかく留学とか、インターンで海外に行ったのに、日本人の鎧を着たまんまじゃもったいない気がします。虎穴に入らずんば虎子を得ず。郷に入っては郷に従え。はじめは食わず嫌いしたり、普段はやらないことを恐れないで挑戦してやろうという意志を持ちたいものですねえ。そして、海外に長期で行く人とかはおんなじ目にあえ!!

最後まで読んでいただいた方はありがとうございました。


大阪大学の理系学生(休学中) アフリカが足りないという言葉に魅せられ、ルワンダに4か月間のインターンシップに来ています。主にこっちでの生活で感じることを徒然なるままに綴っていきます。