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アルプススタンドのはしの方
朝バスを待っていた。音楽を聴いていた。
僕はあまりじっとバスを待っているのが嫌でぶらぶらうろついてしまうし、音楽を聴きながらだとうろうろしながらリズムに乗ってしまうので、列には並ばず、それとなく最後尾にいた。バスが到着するとそれでも、僕より後から来た人は申し訳なさからか、僕に順番を譲ろうとするので、それは僕がじっとしないことと引き換えにしたことと、先に乗車する権利はお断りする。すると、その女性が
泳ぐのに、安全でも適切でもありません
数日間余裕があったので、東京へいってきた。数か月に一度は東京へ行くようにしているのだが、その目的は概ね美術館巡りである。ひとりでぷらぷらと出歩き、美術館や合間に映画を見る。今回も国立西洋美術館のロンドン・ナショナルギャラリー展、国立近代美術館のピーター・ドイグ展、東京都現代美術館のオラファー・エリアソン展(および同時にやっていた企画展2つと常設展)、東京都写真美術館の日本の新進作家Vol.17およ
もっとみる『台湾生まれ 日本語育ち』温 又柔
読み終えて、感想を書いておかなければとパソコンの脇に重ねてからひと月程経ってしまったかも知れない。けれどその、読み終えてからの間も、この本に対する愛着は深まっていくばかりだった。
ひとりの女の子が、父親の仕事の関係で台湾から日本へと移り住む。彼女は言葉を覚えるのが早く、幼少期はその弁の立つ口から発せられる台湾語で親類を笑わせ、日本に移り住んでからは世界を新たに知るように日本語を習得していった