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「あちこちオードリー」:本音を話すということ

「あちこちオードリー」がおもしろい。

同番組はテレ東系で毎週火曜25:30〜放送しているトークバラエティだ。
放送していない地域の方はTVerから見られます。

リアルタイムでは見られないのだが、翌日朝の通勤電車の中TVerで1回、家に帰って録画で1回、計2回は見ることが習慣になっている。

同じ番組を2回見ることが習慣になっているのはこの番組だけだ。



何がそんなに面白くてここまで熱心に見ているのかは、説明が難しい。

でも一つキーワードを挙げるとすると、「本音」になるだろう。

若林の希望でセット内に
「不用意な発言禁止」
「ライターがめっちゃ見てる」
「ラジオじゃない」
と注意書きがされるほど、この番組では他の番組ではあまり聞かないゲストたちの本音や考え方が飛び出し、ネットニュースになっている。

MCオードリーとの会話の中で引っ張り出される「本音」を聞いているといつの間にか出演するゲストのことを全員好きになってしまうのだ。

東野幸治、ホラン千秋、小島瑠璃子…などなどそれまで自分が好きでも嫌いでもなかった方々も、この番組を見てすごく好きになった。他の番組に出演しているのを見ると「お!」と思う。知り合いがテレビに出てるみたいに。


じゃあなんでこの番組でだけその人を好きになっちゃうような「本音」が出てくるのだろう、と考えるとやはりオードリーのMCが特別なように感じる。


トークバラエティって、MCが強いものとゲストが強いものに分かれると思う。

MCが強い番組としてパッと思いつくのは
さんまのまんま
ジャンクSPORTS
ダウンタウンDX
しゃべくり007
など。

めちゃくちゃ面白いMCの必殺パターンでどんなゲストがきても毎回面白くしてしまう。

このタイプの番組ではそもそもゲストの本音は必要とされていない。
ゲストの発言を素材にしたMCの調理を楽しむ。

例)くりぃむしちゅー 上田の二者択一パターン
「緊張されてますか?」
YES→緊張するような番組じゃないんですよぉ!
NO→もうちょっと真剣にやってもらえますか?



一方ゲストが強い番組として思いつくのは
メレンゲの気持ち
Aスタジオ
ボクらの時代
など。

ボクらの時代に至ってはMC自体いない。
なかなか話を聞く機会がないゲストの話をじっくり聞かせてもらう、というのがこの種の番組の面白さで、MCはゲストの本音を引き出すために質問する。



「あちこちオードリー」でのオードリーのMCは上のふたつの間、ゲストと対等か少し下の感じに見える。

オードリーの二人が本当に興味があることを聞き、出てきたテーマでゲスト以上に自分の思っていることを話し、ゲストの発言と同じくらいネットニュースになって嘆いている(主に若林)。


不思議なのはゲストが強い、ゲストの本音を聞くことを目的とした番組よりも「本音」が聞けているように感じることだ。

たぶん「本音」というものは対等な会話の中ではじめてポロリと出てくるものなのではないだろうか。


こうやってnoteを書くようになって改めて思うが、自分の「本音」なんて自分でも全然よくわかっていない。

「本音で書くぞ」と思って書き始めても、書いてるうちに自分が書きやすいように「本音」の方がねじ曲がっていき、書き終えたころには「これおれがほんとに思ってることか?」なんて状態になっていることがほとんどだ。

きっとほんとの「本音」を話すには、自分の話をよく聞いてくれる人を相手に、その人の発言に照らし合わせて自分の考えを確かめながら、話していくことが必要不可欠なのだろう。



なんだかこの番組で、ゲストの話を聞いてゲラゲラ笑い、本音の話に納得していると、「人の話をちゃんと聞くことってこんなに面白かったのか!」と気づかされる。

自分の周りの人たちも、「この人ってこういう人だよな」と早合点しないでちゃんと話を聞いてみればめちゃくちゃ面白い「本音」が出てくるのかも、と思ってわくわくする。


来週(8月4日)はバカリズムと東京03がゲストで絶対面白いやつですよ。
来週からぜひ。


サイトウでした。


ーーー


@いえもん
これ読んだ!
性別が違うからか自分はあまり喰らわずに済みました。危ねえ〜。
出てくる「普通」の男がたぶん自分なんだろうなと思って悲しかったけど。

「何者かになりたいまま何もしない自分」に長い間付き合い過ぎて、最近は何者かになれてもなれなくても今と同じくらいつまんないんだろうなと思ってきました。

うーん。


@きっちゃん
このバリバリ自己開示note読まれてるかと思うと、外で会った時「お、おう!」みたいな空気になっちゃいますね。
一回飲んでその辺精算したいんだけど…。

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