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夏になると思い出すドロドロの日々

こんにちは、いえもんです。

中学生のとき、吹奏楽部に所属していた。

夏になると思い出す。

真夏のコンクールを、
暑い廊下で汗をかきながら練習していたことを、
管楽器から出るツバを吸うタオルと汗を拭くタオルがビショビショになったことを、
もうドロドロになりながら日々を過ごしたことを。

強豪校ではなかったけれど、8月のコンクールで賞を取るべく夏は週7日で部活をやっていた。

田舎の学校のため通学バスがあるけれど、日曜は授業がないのでバスが出ない。最寄駅からは歩いて30分かかる。複数人でタクシーに乗って割り勘する日もあれば、もう少し近くまで行けるシャトルバスに乗ったり、炎天下の田舎の田んぼ道をひたすら歩いたりすることもあった。

学校へ行くのも一苦労、やっとたどり着いた音楽室にはクーラーがあるけれどその中で練習するのは合奏の時間だけ。基礎練習、個人練習はクーラーのない灼熱の廊下でひたすらに練習していた。

管楽器を演奏するとたくさんのツバが出る。だから吹奏楽部の生徒はみんな大きめのハンドタオルを持っている。ただでさえ水分が逃げていくのに、夏は汗もダラダラかく。タオルは2枚必要で、もうドロドロだった。

今思うとよくあんなことできてたな、と思う。

音楽の習い事をしたことがなく楽譜も読めない自分は、部活紹介で見た先輩たちの演奏に魅せられ他の部活の見学に行くことなく、入部を決めた。

楽譜も読めず、歯並びも悪いから楽器を吹くよりは叩こうと打楽器を志望するもすでに経験者がいた。そうこうしてるうちにクラリネットの先輩に気に入られ、クラリネットのオーディションを受けることになった。新入生でホルンの志望者がおらず、1番志望者の多いクラリネットからホルンを鳴らせた者がホルンになるという謎の選出方法がオーディションで行われ、鳴ってしまったのでホルンを吹くことになった。

心惹かれるまま入部して、流されるままにホルン奏者となった自分の身軽さが今でも好きだ。

この身軽さのおかげで、暑くて熱い夏を過ごすことができて、いわゆる「部活」を経験することができた。

夏は暑くてドロドロだったけど、目標に向かって練習する日々は充実していたし、仲間と演奏するのは本当に楽しかった。

顧問の先生は怒るとバチを折ったり、スリッパを投げつけたりするとても怖い人だったけど、コンクールの後や、個人発表の後の言葉はいつも優しく愛に溢れていた。怖いからこそ褒められた時はすごく嬉しかった。廊下から外を向いて練習している我々はスリッパをパタパタさせながら歩くその音で顧問の登場を察知していた。上履きの踵を踏んだりしていたらバチくそ怒られるのでパタパタ聞こえたら厳戒態勢で練習していた。そんな顧問は高校へ上がった頃、早くにガンで亡くなってしまって今はもうパタパタも怒号も褒め言葉も聞くことができないけれど、明太子味のうまい棒が好きだった顧問はいつまでも私の恩師だ。

部活はやってもやらなくてもいいと思う。それでも何かに熱中するということを知るとても良い機会だったことに大人になってから気づく。

高校生活は吹奏楽部から逃げてしまったから、なおさら痛感している。

部活、最高だったんだな。

コロナ禍で、今の中高生は思う日々が過ごせていないかもしれない。それでも何かに熱中する日々を過ごしていることを願ってやまない。

>サイトウ
オリンピック開会式まさにノリが共有できなかったんだろうね。色んな記事を読むほど残念な気持ちになります。怒りが冷めないうちに話そう。ちゃんと怒ろう。ノリを共有して熱くなる感じ、私もやりたい。

>きっちゃん
仕事ダイエットの効果が抜群ですね?


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