『ブックスマート~卒業前夜のパーティデビュー』;スクールカーストとバランス感
本当のあなたたちを知らなかった。
けれども今は、みんなのことを愛してるわ。
今回は映画レビューで。
本土アメリカでは2019年に公開された、「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」を新宿武蔵野館で。
俳優であるオリヴィア・ワイルドの初監督作品でもある本作。
評価が高く、期待しておりました。
最近のハリウッドでは俳優からキャリアをスタートさせた方々がプロデューサーや監督にキャリアアップ?していくことが多く、今回のオリヴィア・ワイルドも例外ではなく思います。
しかし、デメリットとして役を演じる俳優に比べてプロデューサーや監督になると思想や作家性を重要視するようになるため、
「あ、こういう考えの人だったんだ」だったり
「あ、こういう趣味の人だったんだ」と幻滅されることは多く、
さらに、信条を強く表現しがちで、どうしても説教くさい作品になりやすいですよね。
(逆に、それを嫌って本当に学びがゼロのポップコーンムービーにもなりやすい)
では、今回の作品はいかがだったでしょうか。
結論からいえば、めちゃくちゃ良いバランス!!
程よい下ネタと程よいアート。程よいギャグに程よい説教。
こんなに絶妙な塩梅でエッセンスを散らしてくる監督は素晴らしいのでは。
「らしさ」と「らしくなさ」
今作は、スクールカーストの低い2人が卒業パーティに参加する。
いつも美女・美男を囲んでいるようなパリピになりたいがそれが
「私らしいのか」これまで勉強しかしてこなかった自分の「らしさ」とは何か。私は、監督の考える「らしさ」と「らしくなさ」がギャグにも交えながらフワッと香る、全くくどい伝え方ではない稀有な作品だったかなと思います。
スクールカースト物の傑作の1つにはなったのではないでしょうか。
バランス感が本当に大切!やりすぎは禁物!!
個人的には女性の言う下ネタが苦手でして、、
冒頭とか結構「はぁ、、、」ってなりましたね。
今作もまあ全体的には下ネタ多めではあるんですが、
オゲレツなだけではなく芸術的な絵作りも多く(プールのシーンとか!)
またこの手にありがちなフェミ思想丸出しの男性卑下とか女性讃歌も過剰でなく、スルッと胸焼けのしない爽やかさがありました。
加えて、思春期の子供たちへのメッセージとして語られる中に、エッセンス程度に、女性・マイノリティへの応援歌が含まれている。
(エイミーの「これ以上自分のことを卑下すればボコボコにする!」のセリフは刺さりました)
その絶妙なバランス感覚が化学反応を引き起こしており、めちゃくちゃ心地よく見れました。すごい。
スクールカーストの変化
もちろん学園ドラマなのでスクールカーストはつきものです。
ただ、本作がまた今までのものと異なっていたのは、カーストそれぞれの子供たちが新しい内面や特徴を抱えているという事でした。
それは多様性が広く認知されるようになったからこその表現ですし、時代の変化が生み出す面白さですよね。
わたしが『ブレックファストクラブ』とか『13の理由』で学んだスクールカーストの構造とは異なり、現代アメリカのカーストって刻一刻と変化しているんでしょうね。
また1から勉強する必要がありそうです。
>いえもん
挨拶は人間の基本だな。大切。
>サイトウ
韓国アツいなあ。。たくさん見なければ
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