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【読書録】木曜日にはココアを/青山美智子著

約4年前に文庫本で購入した同書。
購入当時に一周し、なんだか心がほっと温まる、ストーリーだなと感じていた。
ふと、もう一度読みたくなって、実家の本棚に置いていた本を通勤のお供に読み返した。

改めて好きだなーと思ったポイント。
・短編小説
片道の通勤電車で読み切れる(20分以内)ほどの読み進めやすさ、分量。
一つひとつのストーリーがheartwarmingすぎて、1つの物語ごとに涙。ハンカチが欠かせない。

・登場人物の連鎖性
これは大好きで崇拝している伊坂幸太郎さんの作品にも共通するが、短編小説の登場人物が連動していること。主人公は物語ごとに変わる(視点が変わる)が、主人公の関わった人が次の物語で主人公になり、1つの出来事やモノを多面的に見られる。1つの出来事に多重に彩りが加えられて、それぞれが愛おしく感じられる。

・相互扶助の世界観
知らず知らずに、ほんのちょっとした一言で、誰がが誰かを救い救われている暖かな世界。
たった一言で、世界が変わる不思議。
家族、友情、育児、恋愛、仕事。
人生で欠かすことのできない人との繋がりに慈しみを感じられた。
私は特に育児や仕事において、自己否定をすることもまだまだあるけれども、この本を読むことによって、肩の力をふっと和らげられた気がする。

前回読んだ時とは、心に沁み渡る感覚がまた違った。
次に同書を読む時はどんな彩りになるだろうか?
楽しみだ。

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