4000回繰り返す、子育ての喜び
子どもをお風呂に入れるのは、
私の担当だ。
毎日、まず自分ひとりでお風呂に入り、
体を洗ってすぐに、
二人の子どもを順番に呼ぶ。
体と頭を洗ってあげて、
湯ぶねにつからせる。
二人が湯ぶねに
つかったところで、ひと段落。
お風呂用のおもちゃで遊ぶ
二人の子どもを横目で見ながら、
私は先にお風呂を出る。
バスタオルで体をふき、
ドライヤーで髪を乾かす。
これで自分のお風呂は終了。
次は子どもの番。
ここから、またひと仕事。
なかなかお風呂を出たがらない、
二人の子どもを順番に出させて、
バスタオルで体をふき、
ドライヤーで髪を乾かす。
それを繰り返す。
毎日、毎日、繰り返す。
いったい私は、何回同じことを
繰り返しているのだろう?
ふと気になって、計算してみたら、
ざっと3,000回だった。
次男が7歳までお風呂に
入れてあげるとすると、
あと1,000回繰り返す。
4,000回。とてつもない数字だ。
かつて自分の趣味で
4,000回繰り返したものはあっただろうか。
1年に数回、自分ひとりで
お風呂に入る機会があると、
「お風呂ってこんなに
くつろげるものだったんだ」
と、しみじみと実感する。
あと、1,000回も
私は繰り返さなければいけないのだ。
さて、夏休みが終わった。
長男は小学校、
次男は幼稚園に再び通い出す。
途端に、自宅は、
妻と私しかいない静かな空間に。
なんだか寂しい気持ちになる。
夏休み中は、あんなに騒がしく、
静かな空間を求めていたのに。
子育てもそういうものかな。
手が離れてしまうと、
繰り返してきたことが終わってしまった
寂しさにおそわれるのかな。
子どもが家に帰ってきた。
夕食後、私は今日も子どもを
お風呂に入れる。
あと、1,000回しか繰り返せない
至福のひとときだ。
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