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【続!】新年早々、「残るべきものが残る世界」を考えてみた話 2

まだまだ寒い季節が続く今日この頃、
1月2日に書いたnoteが思いのほか、好評でした。
数年連絡を取っていなかった友人から長文のメッセージが届いたり、
ブランドを運営している同志の方々から共感のメッセージが届いたり、
様々な声が私のもとへ届きました。

少しでも皆さんの考えるキッカケになっていたら、
書いた甲斐がありました!

前回の内容は↓こちらから

さて、せっかく皆さんに議論のきっかけとなるものがかけたのであれば、
そこから生まれた発想を元にバージョン2を書いてみます。

なぜ続編を書くのか

前回のnoteを書いて、
facebookでシェアしたところ1番最初にコメントをくれた方がいました。
私が尊敬する経営者、マザーハウスの山崎さんです。
山崎さんからこのようなコメントをいただき、
ハッとしたのでまたnoteに書くことにしました。

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「実は消費だけでなく、投資も労働も投票行動」

これ、すごく共感しました。
消費だけでなく、投資も労働も投票行動。
ただ単に、金銭や役職という、外的な対価を得るための投資や労働でない。

「自分がどんな世界を作りたいのか、貢献したいのか、
それに応じて投資する先も、働く会社も選ぶ」

この考え方は新しい視点がありました。
それは、働く会社ですら世の中への投票行動になるのであれば、
「必ずしも消費をしなくても世の中に意見をすることが出来る」ということです。
私は若者が脱消費を志した世界の先には、日本の多くの文化がつまった工芸品などが消費されることなく、どんどん廃れていくと思っていました。
だが、「どのような会社で働くか」は「どのような商品を購入するのか」に近い、いやもしかしたらそれ以上の投票価値になり得ると思います。
ビジネスの力というのはそれほどに大きい。
ポスト資本主義を描くには、実は資本主義をハックすることが近道だという説を私は支持します。

「労働が投票行動」というのは、全ての社会起業家に対しての、勇気づけの言葉のように感じました。

ポジショントークとは

もう1つキーワードがありました。
私は、前回のnoteの中でこう述べました。

消費をしないということは、「思考放棄」とも捉えられる。

これは一見まっとうに見えますが、
ことアパレル業界のアトツギとしての側面でいうと、
完全にポジショントークです。
「消費は投票だから、うちのブランドを買ってくれ」と言っているように聞こえる。
これがポジショントークと言わずに何と言いましょう。

例えば、私はアパレル業界の課題や文化の継承について言及しているくせに、親戚が苦労して経営する呉服屋さんで、着物を買ったことがありません。
「残るべきものが残る世界」において、残って欲しいと思っているものの、自分の生活圏には「着物を着る」というシーンがなく、
非常に心苦しいのですが、購入のための比較検討すらしたことがありません。

そんな私が何を言おうと、都合がいい時だけ声の大きいポジショントーク野郎になってしまうでしょう。
それでも、私が信じていることはあります。
それは、「声を上げることで、何かを変えることができるかもしれない」
ということです。

世の中にはグラデーションが必要です。
白か黒かだけでなく、その間には灰色があって世の中は徐々に変わっていきます。
自分が信じる、残るべきものが残る世界を実現するには、それを発する人が完全無欠な人間でなくてもいい。
ただ、自分に出来る役割を全うすることは非常に大切です。
それは今の私にとっては明確です。

「サステナブルの参加コストを下げるファッションブランド」として、
カポックノットを運営する。

従来、参加コストが高く一時的にしか生活に取り入れることが難しかったサステナブルな選択を誰もが取れる世界を実現する。
そのための媒介としてカポックノットの服や思想を広めていきたいのです。

そのカポックノットを広げることは、
上記マザーハウス山崎さんの言葉を借りれば、
「消費としての投票」だけでなく、一緒に働いてくれるメンバーたちの「労働としての投票」の場にもなっていくのだと思います。

「で、お前はブランド運営以外何やってんの?」という問い

いろいろな角度から話をしていますが、
自分がブランド運営をしているだけで、出来ることは限られています。
そんな中で、「偉そうなことを言ってるけど、お前はブランド運営以外何やってんの?」という問いが生まれてきます。
そこで、私が近しい世代の同志と共に、運営しているD2Cショールーム、
The Crafted GINZAについて言及します。

The Crafted GINZAは銀座にある、取り壊しが決まっている遊休不動産を活用した共同ショールームです。
2021年5月に設立以来、2022年1月までに新進気鋭の26ブランドの皆様と一緒に運営をしてきました。
「自社で店舗を構えるほどは資金に余裕がないけど、世の中の反応を見たい!なんならついでに東京にオフィスが欲しい!」
そんなわがままを叶えるショールームです。

The Craftedの立ち上げの経緯を書いたnoteはこちら

このショールーム事業は、多くの好条件で運営をしていますが、
代表である私と従兄弟は本業の合間を縫って無給で働いています。
この場所は私たちの想いとしては、作り手と買い手を繋ぐ場所として、
ブランドの代表がこの場に来て実際に商品を語ることを価値としました。
私はそれを「世界が色づく体験」と呼び、コンセプトの1つとなりました。
今までなんとなく選んでいた石鹸や肌着ですら、誰かが想いを込めて作ったブランドだったりする。そのモノづくりの背景をブランド代表から直接話を聞くことで、これまで見ていたモノクロの世界がカラフルに色づいていく、そんな想いを込めたのが世界が色づく体験です。

ちなみにこのThe Craftedでは、
「消費でもあり、労働の投票の場になる」
という言葉の通り、地方のD2Cブランドで副業したい人とのマッチングも行っています。
直近ですと、1月13日 18:00~ D2Cミートアップがございますので、よろしければ是非応募してください。(残枠少しです。)
https://www.instagram.com/p/CYa_yPMP_ej/?utm_source=ig_web_copy_link

この事業は泣く泣く2022年3月で物件の期限が来るため、閉幕を迎えます。
ですが、この取組の意義を再確認する、
「消費も労働も投資も全てが投票である」
今回はそんな気づきの整理になるnoteとなりました。

余談:
ちなみにこのショールーム、自分だけではあまりに手があまり、
従兄弟に共同代表を、姉に店長を、妹に副店長をという親族フル活用の布陣で挑んでいます笑

副業で関わってくれていた姉を取材いただいた記事はこちら↓

最後に

相変わらず、とりとめのない長文を書いてしまいました。
ですが、私が今やりたい事、今までやってきた事が繋がってきた時で、
どうしても書きたくなってしまいました。
スキやシェア大歓迎です!

vol.2からさらに議論が生まれた場合、
またvol.3も書こうと思います。
感想はtwitterやIGからどうぞ。

ほなまた!


さらに余談:
ブランド運営で少しでも得たノウハウを還元すべく、
「ブランドにまつわるエトセトラ」というpodcastを運営しています。
毎回ゲストに来ていただき、
モノと情報がありふれた現代におけるブランドの役割を探求する番組です。
前回は木村石鹸木村社長でした。
よろしければ是非聞いていただき、コメントください。
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