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「LISTEN」対話の実践日記|できたことと反省

共感することと同調することは違う

友人のセミナーより

確かに!と光が差したセリフでした。
LIFE SHIFT CHALLENGEという自己理解プログラムで、参加メンバーがNVC(非暴力コミュニケーション)についてプレゼンした一節です。
相手に信頼してもらうために、一つでも多くの共通点を見つけて共感しようとしていた私ですが、それは真の共感ではないとぴったり来ました。

そこから傾聴について学ぶべく、名著「LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる」を読み始めています。(まだ読破してないんかい。)

仕事柄面談が多く、実践のチャンスは山ほどあります。目標はこちら。

傾聴の目標

1. 急いで共感しない
 :質問を重ねて理解を深め、相手の気持ちや経験を追体験する
2. 解決策を言わない
 :どんなにアイデアを伝えたくても、相手の気づきを大切にする
3. Whyの質問を減らす
 :Whatの質問、オープンクエスチョンでプレッシャーなく考えてもらう

上記を読んだだけで「こいつ横柄なやつだな」と感じた方がいるかもしれません。そう、これまでの私は相手のためになったつもりでエゴが強かったのです。

1. 急いで共感しない

冒頭にも書いたように、私は共感を急ぐ傾向がありました。ちょっとでも自分の経験と重なる部分があれば、「わかる!」「私も同じような経験をした!」と拙速に飛びつきました。
愚痴大会ならそれで盛り上がるのですが、面談は対話の場です。むしろ、「いやそれは僕のケースとは違うな」と言われてしまうこともありました。
「すぐに共感できるはずがない」という前提で、イメージしづらい状況や感情を素直に質問を重ねて理解するようにします。

2. 解決策を言わない

自分が解決策を提示できると思っている時点で天狗臭がすごいですね、我ながら。相手の役に立ちたかったり、知識を披露したかったり、もしくは変わってほしい点があったり。様々な理由でアドバイス欲が現れます。
でも他者からのアドバイスはなかなか響きません。相手が対話を通じてハっと発見し、気持ちが楽になったり行動が変わったりすればその方が意味があります。気づきは決して誘導したり、無理やり納得させないことが大前提です。

「いい質問のウラには、「救ってあげよう」「助言してあげよう」がない」

—『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』ケイト・マーフィ著

3. Whyの質問を減らす

正直一番捉え切れていない目標です(笑)
「なぜ?」という質問は相手が尋問されているように感じて心のガードを作ってしまいます。
「何についてそう思ったの?」「具体的にはどういうことかな?」「もう少し詳しく教えてほしいな」などの言葉に置き換えるとよいそうです。
1.の質問の重ね方にあたる部分ですね。

2月の実践

いざ実践だ!と面談した中の2ケースを取り上げます。

ケース1:人間関係に関する面談

社内スタッフ同士で意見が食い違ってしまい、ミーティングをする度に口論になっているパターンです。(普段は穏やかなメンバーばかりだから不思議。)
特に感情が高ぶっている社員(Aさん)に面談をしました。周囲の言葉を曲解してしまうことが散見されたので、私に別の社員(Bさん)から相談がきたのです。
面談の目的はAさんに自身の思考の癖に気づいてもらうことです。この点がメンタリングやコーチング、1on1とは少し性質が違います。
※Aさんに話を聞いて、Bさんからの依頼がそもそもおかしい場合は目的を変更する場合があります。

初めは状況理解のために問題になった事象の経緯を確認します。
私はBさんの依頼を受けて面談をしているので、双方の主張が揃わなければ、誤った発言をしてしまう可能性があるからです。

どちらかだけが悪いことはほとんどありません。
今回もAさんの話には確かにAさんの主張が最もなものと、Aさんの想像で極端な行動をとっているものが混ざっていました。

ここまでで目標の1・3を念頭に、質問を重ねてWhyをなるべく使わないようにしました。AさんがBさんや他のメンバーの意図を想像して、それに対して怒っているような場面では、「具体的にはどんな言葉をかけられたの?」と事実を整理します。

「確かに、相手の意図については僕の想像ですね。そういう意味じゃなかったのかも。」と言ってくれましたが、「でも過去僕の想像は結構当たってきたんですよ!」と続いてしまいました。まだ道は長い。ちょっと誘導っぽくて納得感がなかったのかもしれません。

目標2のアドバイスしないことについては・・・・
微妙ですね。ちょっと感想を多めに話してしまったかもしれません。今回たまたまそれが一番ヒットしたのですが、それでよかったのか。(Iメッセージという意味では良いのかな?)

余談ですが、先日「BOXIL EXPO 第2回人事総合展」で合同会社あまね舎の齊藤氏が「人は変えられたくないと思っている」とおっしゃっていました。

内面的なテーマであるほど自分を否定されるのを恐れているのは私も例外ではありません。
今回のケースのアプローチや目的の見直しも含め、もう少しいろいろ試してみます。

ケース2:伸び悩む社員への面談

自分の仕事で活躍できていないと悩む社員(Cさん)への面談でした。
この面談の目的は抱えているモヤモヤを少しでも言語化し、今後の行動の糸口を見つけることです。

実はCさんの周囲からの評価は高いのですが、本人が求めているレベルに技術が追い付いていないことが悩みでした。人間関係も良好とのこと。

今回は純粋に相手の内面に向き合う時間だったため、私の「アドバイスしたい欲」は表出せず、ただ話を聞くことができました。

質問を重ねることで、Cさんのスキルセットや業務の職能との相性、今後のキャリアなど対話が深まっていき、自己理解が深まったようです。

とはいえ、スッキリしたわけではないのですが・・・
今後の羅針盤がCさんの中に増えたらよいなと思います。

反省点としては、選択肢をこちらから提示しすぎたところ。今後のキャリアの場面で「Cさんには3つの選択肢があるように思いますが、どれが一番希望に近いですか?」と質問しました。でも絞ってしまうとそれ以外の言葉を得れないし、私の認識できる世界外に広がらないなと。次回以降への宿題です。

今回は悩み相談の例を取り上げましたが、会社の面談は定期的なヒアリングで明るい会話をすることも頻繁にあります。社員の活躍している様子や充実感を感じている様子を見るとかなり嬉しくなります。その一助になれるように、引き続き実践し続けます!





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