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「育てる人」という仮面

親子関係というのは複雑だ。
子にとって親は、生まれたときから親。
ある意味完ぺきな存在だったりする。

たとえば学校の先生との関係。
僕たちは学校の先生のここがいいとか、ここが悪いとか、自分たちが接する中で感じることはわかっている。
けどその先生が何を考え、どんな人格を持っているかを知る機会は少ない。
そもそもそんなことに関心を持つことは少ない。
なぜならその関係性は、教師と教え子以上のものではないからだ。

この関係は言ってみれば”契約”のようなもので、出会ったときから立場が決まっている。教える人と教わる人。
好き嫌いがあったとしても、教える人と教わる人という関係性は変えようがない。


一方対等な友人関係は、そうはいかない。
そもそも、つながっているバックグラウンドは好き嫌いを起点にしている。
そこには契約は存在せず、何ら義務もない。
だから、相手の本心を知ろうとする。
相手がとった行動の背景に、どんな思考があるのかに思いをはせる。


では、親子関係はどうだろう?
契約というほどドライではないものの、出会った瞬間に立場は決まっている。育てる人と、育てられる人、だ。
だから僕たちは、親の人格を知らずに育つことも多い。
育てる人、という仮面は知っていても、親の本心に思いをはせる機会は意外に少ない。

好き嫌いで親を選ぶことはできないのだから、あえてそれを見ないようにしているのかもしれない。


しかし実際には、あたりまえだが親も一人の人間だ。
対等に付き合う友人として見たときに、欠点もあればよい点もある。
人としていびつなんだけど、子として見た親はそのいびつさに気が付かない。

たとえば、親子で会社を経営したりする。
そうすると、自分が結婚すれば距離が離れるはずの親と、いつも近距離にいることになる。そうなってはじめて、僕は親の性格というものを意識し始めた。
そこには、子どものころ信じていた完ぺきな親は、いい意味でも悪い意味でも幻想だったことに気づく。
親は、親という責務を果たそうとする、不完全なただの人。
そのことに気づくと、自分が少し大人になった気がする。

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