占いや予言はなぜ当たるのか?


一言でいうと

人はあいまいなものでも結構信じる。(特に自分のことは)

活用シーン

(悪用厳禁)

内容

1948年にバートラム・R・フォアラーが行った実験。
学生に
「性格診断テストを実施し、一人一人の性格を評価した」
と伝えたが、実は、全員に同じ分析結果を見せた。
その内容は以下の通り。

あなたは他者から好かれたい、称賛されたいと思っているが、自分自身に対しては批判的になりがちだ。くつつか性格的な弱点もあるものの、たいていはそれを上手く補っている。あなたの中には、十分に活用されていない大きな能力が眠っている。外面的にはしっかりした社会人を演じているが、内心では不安になったり自信を無くしたりしやすい。ときには、自分が正しい決断を下したか、正しいことをしたか深刻に悩むこともある。また、自分の頭で物を考えられると自負しており、十分な証拠がなければ人のいう事を鵜呑みにしない。しかし、人に自分をあまりさらけ出すのは賢明ではないと気づいている。外向的で愛想よく社交的にふるまうこともあるが、内向的で心配性で引っ込み思案になる時もある。ときどき、かなり非現実的な野心を抱いたりする。

学生たちはこの文章を読んで、どれくらいあたっているか点数をつけるよう指示された。その点数は平均して85点。

『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』
デイヴィッド・マクレイニー (著),

人はあいまいな言葉を自分に向けて発せられたとき、自分の事では?という前提でとらえがちのようです。

それを上手く活用したのが「コールド・リーディング」というテクニック。
例えば私が占い師だとすると、お客さんであるあなたにこう聞きます。
「仕事のことでお悩みですか・・・いえ、人間関係ですか?・・・いやいやお金の悩みですね」

たいてい人が占いに頼るのは悩みのある時。
そして、だいたい年齢と性別で、持ちがちな悩みは同じですよね。
そして、人間関係、仕事、お金、という悩みはたいていの人が少なからず持っているものです。だから、「仕事の悩みですか?」と聞かれると、聴かれたお客さんは仕事で悩んでいたことを即座に脳内検索をかけます。
すると、「ああ、確かに仕事の悩みもありますが、実は今回は、彼女との関係についてなんです」みたいなやり取りになります。

あいまいな問いや、あいまいな提示をして、相手に具体的に話させる。
これが、相手を信用させる、ちょっとブラックなテクニックです。
実際に使ってみると、面白いぐらい相手はその術中にはまります。


もちろん占いや予言が全てそのようなインチキというつもりはありません。
また、その結果に依存するのではなく、結果を活用しようと考えるなら、占いそのものがインチキであっても全く問題ないと思います。

しかし、そうやって人をだまして、壺やセミナーを売り込むのはアヤシイ団体にありがちなビジネスモデルですよね。
ですから、こういったテクニックを使われていないかを知るためには、こういうテクニックの存在を知っておいたほうがいいかもしれません。

ちなみに人は、なにより自分のことに一番の関心を持っています。
だから、先に挙げた性格分析結果も、自分と無理やりつなげて、その性格分析が当たっているように思いこもうとする性質があります。
納得できる部分は、「そうそう!よくわかるなー」と思って感心するし、
納得できない部分は、「自分が知らない新たな一面かも」と思い込もうとしたりします。


それをうまく利用したのが、ネットにあふれる診断アプリですね。
どうでもいい診断を提供して、ご丁寧に「シェアする」というステップが組み込まれています。人は自分大好きだから、自分の結果を人に見せたがり、シェアする。そしてその内容を見た友人が、「俺はこんな風な結果が出るに違いない」なんて思うと、それを確認するためにやってみたくなる。

結果が思いどおりだったとしても、そうでなかったとしても、自分のことを人に知らしめたいのでシェアする。上手く考えられた仕組みですね。



ワタシ、こんな本書いてる人です(^^)/

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