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教師ってなんでこんなに疲れるの?(仕事をしているのに対価がない)

こんにちは。元教員で現ヒラ社員のかおるこです。

さて、今日は、何が教師を追い詰めるのか?という新シリーズの第1回目をお届けします。
(第2回目は→教師ってなんでこんなに苦しいの?(自己矛盾が生まれる背景)

今回は、「あなたが疲れているのは単に忙しいからだけではない。報われなさがあなたの心をすり減らしている」という話を書きます。

(ちょっと文字多めだけど、最後までお付き合いをば。)

【目次】
・はじめに
・取れない疲れの正体
・そもそも何のために仕事をするのか?
・教員も労働者だ
・最後に

では、はじめましょう。

・はじめに

学校の先生は、疲れます。

帰ってきたら、倒れこみます。起き上がれません。

しかし、この疲れ、寝ても取れない。

どうやらこれは、単に身体が疲れているというだけじゃないと私は感じていました。

・取れない疲れの正体

私、なんでこんなに疲れてるんだろう?
この疲れはどこから来るのだろう?

現役時代、なかなか見つけられなかったこの問い。今の私はこう考えています。

その正体、

「報われなさ」にあるんじゃないか
と。

「報われなさ」=期待したものを得られない感じ

教師にとって報われないことはいろいろあると思いますが、今回はお金のことについて書いていきます。

・そもそも何のために仕事をするのか?

あなたは何のために仕事をしていますか?
内閣府が世論調査したところ、この質問に対して、全体の56.4%が「お金を得るため」と回答しています。「生きがいを見つけるため」等の他の回答は全部合わせても39.4%です。(令和元年度調査)

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また、特徴的なのは、世代間で差があること。「お金を得るため」と回答した人が最も多いのが30代(72.2%)であり、50代以降はこれに取って代わるように、「生きがいを見つけるため」と回答する人が伸びています(70代が27.2%と最多。ちなみに30代は8.7%で最少)。

このデータからもわかるように、現役世代は、第一義的にはお金を得るために働いている人が大半であると言えます。(もちろん働く理由は複数ある)

そして、世の中の労働者(雇われて働く人)は、自分の時間を雇用主(社長とか)に提供して働き、その対価として報酬(お金)を得ています。


・教員も労働者だ

さて、教員はどうでしょうか。

よく、教員は「しんどいことも生徒のためなら頑張れる」とか「聖職者である先生が残業代の話をするのはいかがなものか」みたいな風潮があります。

でも、わたしは言いたい。

教員だって、労働者だ。

世の中の大半の人と同じように、お金を得るために働いているんだと。

教員の雇用主は地方自治体や学校法人ですね

そして、問題なのは、

労働者が自分の時間を提供して働く
=労働の対価(お金)を得る

という、社会の根底を支えるこの仕組みが、なぜか教員だけには認められていないということです。

教員が公務員だからではない。一般公務員は時間当たりの残業代が出る。

おかしい。

自分の時間を提供(犠牲に)して仕事をしているのに、正当な対価が得られないというのは、労働の目的を根本から揺るがすものです。

例えば、定時前の出勤、定時後の残業、休日出勤、部活動指導など。

「なんでこんなこと、無償でやってるんだろう?本当は、こんな時間に学校にいたくないのに。」という、言いようのない疲れや思いを感じたことのある先生は多いばず。

つまり、私たちは、

自分の時間の提供に対して、相応の対価(もちろん正当な労働単価で)が発生しなければ、
働く目的が達成されず、
自分の時間を奪われたという「報われなさ」だけが心に残るのである。


これは本当に

教員の働く意欲を、静かに、じわじわと、

しかし確実に浸食していく。

そしてこれが、取れない疲れとして、教員の心に蓄積していくのです。

・最後に

この記事では、教員が疲れている原因として、
ただ、仕事が多いという業務量の問題だけではなく、

自分の時間を提供して労働したにも関わらず、
正当な対価が支払われていないという「報われなさ」が、
働く意欲を侵食し、教員の心を摩耗させている

ということを書きました。

今回は、お金の「報われなさ」について書きましたが、まだ教員の「報われないこと」はたくさんあると思うので、また追々書いていきます。

今回はちょっと難しかったかな…長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。


つづき(第2回目)>>>教師ってなんでこんなに苦しいの?(自己矛盾が生まれる背景)

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