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今はもう消えてしまった京都の本屋のはなし・6


更に続きます、京都の消えた書店のはなし(トップ画像は小俣緑氏のものを使わせていただいております。多謝)。
今までの記事はこちらのマガジンにまとめました。


今日はここ、ブックファースト河原町店。


と聞いて、「ああアレね」と思う京都人。
だが「それはどこにありましたか?」と聞くと違う答えが返ってくるかも。
ブックファースト河原町店は、年をズラして2軒存在しました。


今回語るのは、初代の方。
河原町六角に現在建っているミーナ京都
こちら、以前は映画館でした。
その1階が、本屋だったのです。

この、映画館がなくなっていくことも何とも切ないことであります。
ここは京都宝塚会館といって、昔は宝塚やってたとか。すごいですね。
それから京都スカラ座となって、東宝映画をやるように。
けれども新京極にMOVIX京都できたりで、客足が遠のき、2006年に閉館。


もうちょっと遡ると、このブックファースト、もともとは別の本屋でした。
駸々堂書店。
しんしんどう、と読みます。
パン屋さんとは別(パン屋さんは「進々堂」)。
この為、いまだに耳だけで「しんしんどう」と聞くと、一瞬「本屋」と思ってしまうことが。

この駸々堂が2000年に自己破産。
これもショックでした。
ポルタとかにもお店があったんですよ。
そこはくまざわ書店になりました。


本屋どうなるんだろう、と思っていたら、ブックファーストに大変身。
駸々堂が大変良いお店だったので、なんとのう「ブックファースト」などという横文字&ファストフードを連想させるような名前の店になることが不安でしたが、非常に好みに合った品揃えで、大好きになりました。

映画館とくっついているおかげか、アート系が強いお店で。確か北側の入り口入ってすぐのところに段差があって、よくつまづいた記憶が(本ばっかり見てるから)。
こんな本があったんだ、と新鮮な思いにさせてくれる、行く度にじっくり本棚をチェックしておかねばという気持ちにさせられる、そんな本屋でした。

けれども映画館の閉館に伴い、ビルごと建て替えられることになって閉店。
今回いろいろ書いていて気づきましたが、本屋、巻き込まれ型の閉店多いですね。
書店単独で建物持ってたら、もう少し保った本屋もあったのでしょうか。どうかな。


このブックファースト、もとは阪急の直営でした。その後分社化。
今はトーハンに株が移ったらしいですが、そんな訳で、阪急が2007年にオープンさせた四条河原町のコトクロス阪急河原町に再オープンすることになります。
これが二代目河原町店。


ここがねえ、行かなかった。
何故行かなかったのかは正直自分にもよく判らない。
地下道からはエレベーターしかなくて、しかも1台しかなかったので面倒だったのか(1階からのエスカレーターはあったけど、河原町の東側を上がるってことが普段あまりなくて最初気がつかなかった)。

勿論できた時には行きました。でもすぐに行かなくなった。
1・2階がアパレルで興味なかったせいなのか。
その後1階はディズニーストアになって、ますます行くことがなくなり。


なのでこちらの変遷はよく知らないのですが、最初は3フロアあったのが2フロアとなり、とうとう2018年1月に閉店となったそうです。
ブックファーストのサイトで沿革を拝見したところ、2015年に文具コーナーを導入しているらしい。やはり本屋は文房具を扱いすぎると衰えていくのか。

でも本読みと文房具好きは結構並び立っているものだと思いますので、気の利いた文具がある本屋って本当は素敵なものじゃないかと思うのですよ。
カフェのある本屋なんてのもいいですよね(ただし購入前の本を持ち込めるカフェは受けつけ難い)。


そんな素敵な本屋もあります。
ぜひご一読ください。


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