孤高の花、コマクサを見に行こう / 長野県東御市池の平湿原
コマクサが見たい!写真を撮りたい!と急に思ったある夜。
コマクサといえば、高山植物の代表格。
高山植物の女王と言われ、高山地帯のなかでも特に厳しい環境下で自生する孤高の花です。
もうこの説明だけで見たくなりませんか?カッコ良すぎる。
コマクサは2500mくらいの稜線の砂礫地に咲いていて、長野だったら北アルプスや八ヶ岳が有名です。
長野に引っ越して夫に連れられいくつかの山に登ってきましたが、コマクサの時期にコマクサがある山に行ったことがありませんでした。
去年乗鞍に行った時はすでにコマクサのシーズンは終わっていて、ガッカリしたんです。
でも、忘れていました。
家から1時間もかからないところで、コマクサが見られるということを。
それは東御市の池の平湿原。
これまで何度も行ったことがあるのに、東篭ノ塔&西篭ノ塔ばかり行って、コマクサの群生地をスルーしていたわたし。
というわけで思い立ったら吉日。梅雨の合間の猛暑日に、夫と一緒に行ってきました。
池の平一体は、暖かい里山から2000mの山頂へと急峻な地形になっていることに加え、内陸性気候のため昼夜の寒暖差が大きいといった特色のある気候条件が重なり、2000mほどの標高なのに3000m級の山に自生している植物がたくさん生息しています。
つまり、3000mの山に登らなくても、3000mの高山植物が見られるということ。
特殊な環境が生み出した豊かな自然。
それが家から車でヒョイっと行ける場所にあるなんてなんて恵まれているのでしょう!(スルーしてたけど)
コマクサが咲いている場所は、池の平湿原から少し上がった三方ヶ峰の山頂。池の平駐車場に車を停め、30分くらい歩くと着きます。とてもお手軽ハイキング。
とにかくアクセスがいいことと、急登もなく距離も短いこと、さらに高山植物のシーズン開始ということで、たくさんの人で大賑わい。
池の平にはツアーガイドさんもいて、この日もいくつかのグループがガイドさんと一緒に散策していました。
さて肝心のコマクサですが、現在コマクサの群生地は、今は下の写真のように柵で保護されており、中に入れないようになっています。
というのも、ここのコマクサちゃん、かつて多くの盗掘被害にあったようで、それ以来保護柵がつくられたとのこと。
不届き者め。同じ人間として恥ずかしいよ。
柵の外から眺めていると、すぐに見つけることができました。
柵の向こうに全長10センチにもみたないくらいの可憐でたくましい女王が点在しています。
こんな小さな花が、大勢の人々をこの場所に連れてくるのだからすごい。
カリスマの塊。
コマクサは漢字で書くと駒草。
馬面に似たフォルムで駒と名付けられたそうです。
この日は会えませんでしたが、この場所はカモシカの生息地でもあります。
保護柵の向こうにカモシカの姿を捉えることができたらラッキー。
歩いたコースは、駐車場→湿原→鏡池→三方ヶ峰→見晴岳→雲上の丘→駐車場というルート。
2時間くらいの散策ができます。
北アルプス、八ヶ岳、富士山も一望でき、お手軽で絶景が見られるお得感も。
温暖化で乾燥化が進み、池の平の高山植物も減少し続けているそう。
この美しい自然の産物を、見続けられる未来であってほしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。よければまた、遊びに来てください。