マガジンのカバー画像

読んだ本のこと

32

運営しているクリエイター

記事一覧

【読書】 4月に読んだ本 10冊

あっというまに桜が散って、4月が終わりました。早い! ついこのあいだ年明けたよ……。 今年は割といいペースで本を読んでいます。 ▲読書記録のインスタやってます。 というわけで4月に読んだ本です。 彼女が最後に見たものは / まさきとしか 三ツ谷&田所シリーズ第2弾。 ある殺人事件の被害者の指紋が、別の殺人現場で発見される。一見なんの接点もなさそうな二つの事件が実は細い糸で繋がっている…という流れは第一弾と同じ。登場人物が多くて視点もコロコロ変わるし、過去と現在が行った

もう成瀬にはなれないから、成瀬を好きになる / 本屋大賞2024

さて、わたしもついに「成瀬」デビューしました。 2023年、彗星の如く現れた成瀬あかりに、多数の著名人が夢中になり帯にコメントを寄せているのを見て、そんな面白いの?と穿った目で見ていたのはこのわたしです。 でも結局わたしも成瀬にハマってしまったひとりで、ついにはなんでこの物語が、成瀬あかりが、こんなにも人を魅了してしまうのかなんてことを考える始末。 作者の宮島未奈さんは、柚木麻子さんとの対談で、重くない話を書きたかったと語っていました。 その思いで書いたのが、「成瀬は天下

【読書】3月に読んだ本 11冊

3月後半から4月頭にかけて、実家に帰っていたり両親が遊びにきていたりと慌ただしく過ごしていました。 先週から日常に戻ったものの、外は桜が咲き始め、なんか浮き足立ってます。毎日お花見に忙しいよ。 め生える / 高瀬隼子 大好きな高瀬隼子さんの新刊。 今作は、根こそぎ髪が抜けてしまう感染症が流行した世界でのルッキズムのお話。 ハゲしかいない世界になったら、ハゲで悩んでいた人の悩みは解消されるが、もう2度と髪の毛がある世界に戻りませんようにと願わない日はない。ごく一部の髪が抜け

【読書】2月に読んだ本 14冊

気づけば2月が終わっていました。雪降ったりあったかくなったり寒くなったりと落ち着かない2月。 今月読んだのは14冊。まー結構読んでました。 170回芥川賞受賞作「東京都同情塔」とっても面白かった! 図書館で借りる本も割とあるので、本の装丁を残したくて、読書記録用のインスタを始めました。 よかったらそちらもチェックしてみてくださいませ〜! 存在のすべてを / 塩田武士 30年前に起こった未だ未解決の二児同時誘拐事件。当時事件に関わった刑事、記者、被害者と加害者関係者が時を

【読書】12月に読んだ本 6冊

今年はもう読了できなさそうなので、ちょっと早めですが12月に読んだ本のまとめをやっておきます。 やっぱり高瀬隼子さん大好き、となった12月。 今だけのあの子 / 芦沢央 女同士の友情を描いた短編ミステリ集。親友だと思っていた人から結婚式の招待状が届かない、ママ友とうまくいかない、夢を共有していた友人が冷たくなった…など。世の中の人間関係は、本当のことをちゃんと伝えていればこんなふうに拗れることはなかったのにな…っていうことだらけなんだと思う。わかりあう努力をするか、諦める

【読書】2023年に読んだ本リスト 81冊分

今年はトータルで81冊の本を読んでいました。 ここ数年の中で、冊数だけで言えば私の中では結構読んだほうです。 ただ印象に残っているものはごくごくわずかってのが玉に瑕…。 たくさん読むことがいいことではないので、今年はもっと1冊1冊を丁寧に読みたいなと思います。ちなみにヘッダーの画像は、とくに好きだった5冊。 あと、今年は読書会をやりたいのです。対面で。 図書館とかにチラシ貼るのがいいのかしら?それともSNS経由…? 1月(13冊) 嘘つきジェンガ / 辻村深月 山女日

【読書】1月に読んだ本 5冊

今月は図書館を使わなかっためずらしい1ヶ月。 1月前半は本が進まずペースダウンしていたけれど、ちょっと回復してきたかな。 今年も新しい文学との出会いがとても楽しみ。 2024年も引き続き読んでいきますよー! はるか / 宿野かほる 「ルビンの壺が割れた」と一緒に買っていたのだけどまだ読んでおらず、実家に帰省しているあいだにサクッと読む用に持ち帰った1冊。 ルビンの壺ほどのわーって感じはないけど、ずっとゾワゾワしている感じは変わらず。面白さで言うとルビン壺のほうがよかったか

【読書】11月に読んだ本 7冊

11月は何かとバタバタしていましたが、意外と本を読んでいました。 去年は仕事が繁忙期に入った瞬間本が読めなくなっていたけれど、今年はいい感じのペース。 というわけで11月に読んだ本のまとめです。 落日 / 湊かなえ 新進気鋭の映画監督長谷部から、新作の相談を受ける新人脚本家の千尋。15年前に起きた引きこもりの青年が妹を刺殺し、放火して両親も殺害してしまった事件を映画にしたいという。 ちょっとずつ明らかになっていく過程がなかなかキツく、想像すると苦しくなった。これとこれは繋

【読書】10月に読んだ本 3冊

10月前半はコロナでヒーヒー言っていたのでほぼ本は読まず寝てばかり。 ようやく読み始めた後半で高瀬隼子さんと出会って衝撃を受け、今年出た新刊2冊を本屋で買い、現在積読中。 というかあまりに楽しみすぎて、付箋を貼りながら大事に読みたくて、読むタイミングを見計らっているのです。どうしよ。いつ読も? そんなわけで今月も読んだ本をまとめていきます。少なめの3冊です。 おいしいごはんが食べられますように / 高瀬隼子 日本の社会の縮図を見ているかのような気持ちにさせられた。頑張っ

【読書】いじわるな感情と対峙する 「おいしいごはんが食べられますように」 / 高瀬隼子

遅ればせながら、高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」を読んだ。 芥川賞だし、売れているしで、読んでみたい欲はずっとあったのだけど、同時に純文学ならではの、読み終わった後モヤモヤしないといけない作品だったらやだな〜という気持ちもあって、今まで読んでいなかった。 が、先日コインランドリーで毛布を乾燥しているあいだに行ったブックオフの110円〜コーナーに、なんと220円で売られているのを見つけてしまった。 しかも別のセクションでは1050円の値札がついて並べられてい

【読書】9月に読んだ本

9月から夫の個展が始まったり、わたしの両親や夫の両親+姪がやってきたりと、なかなか忙しい日々を過ごしていたので読んだ本は3冊のみ。 読書の秋と言うけれど、そういや去年もこの時期から本が遠ざかっていたなあと思い出す。 というわけで、9月に読んだのはこちら。 異類婚姻譚 / 本谷有希子 違った種類の存在と人間が結婚するという説話の総称である「異類婚姻譚」。いつの間にか夫の顔が自分に似てきたと感じたことから、他人とひとつになる「夫婦」について考えるようになるサンちゃん。夫との

【読書】8月に読んだ本 9冊

今月は今村夏子月間とでもいいますか。 8月に読んだ9冊のうち、4冊が今村夏子さん。 もはや大ファンになってしまいました。 誰にも奪われたくない/凸撃 / 児玉雨子 アイドルに曲を書いている主人公レイカとアイドルグループのメンバーのひとりである真子との交流を描いた作品。 サブカル、ポップ、アイドル、ネットといった現代のカルチャーの中の、混沌とした日常。読んでいて気持ち悪くなるくらい情景が浮かんできておえっとなった。最初こそ自分が真子に合わせてあげてるくらいの気持ちでいたはず

【読書】純文学を読んで芸術鑑賞筋を鍛える「むらさきのスカートの女」 / 今村夏子

受け手に解釈を委ねられるものは、正直なんだかよくわからないからちょっと距離を置いてきた。 たとえば何通りかの解釈の仕方がある小説、結末は見た人におまかせな映画、抽象的な絵。 芸術鑑賞の中でも、ちょっと難しめのやつである。 生きていれば答えの出ないことのほうが多いし、人生とは選択ばかり。 選んだ方を自分で正解にしていくしかないのだから、フィクションの中でくらいスパッと答えが出てほしいと思うのが正直な気持ち。 でも夫がよく 「自分の作品の裏話なんかどうでもいい」 「余計なこと

【読書】 7月に読んだ本 7冊

今日から8月です。 毎回このまとめが遅くなってしまうので、今月は早めにやります。 今月は湊かなえさんの本をよく読んでいます。 というか、今年は全体的に湊かなえさんの本が多い。 つまりそれは、どういうわけかこれまであまり読んでいなかったということなんですが、なんで読んでいなかったのかを考えてみたら、おそらくドラマや映画で先に見てしまったからかな、と。 映像でしか表現できないこともあれば、文字だからこそ表現できることがあります。 それはもう好みの話ですが、わたしはやっぱり文字