母のねがい
私が娘を産んだ日、それが彼女の誕生日だ。
みんな彼女に「お誕生日おめでとう!」と言ってくれる。ありがたい。
私からしてみれば私が彼女を産んだ日なのだから、「私が頑張った日」でもある。
なんと言うワガママな私目線😅
子は父と母の愛の結晶だ。
私は本当にそう思う。
彼女もそのはずだった。
愛し合ったから生まれた。
父と母の共通の宝物。
愛されて育って当然の存在。
子どもの頃は天真爛漫、元気で明るい笑顔のかわいいお姫様、我が子が一番かわいいと思っていた。殆どの親もそう思っているだろう。
しかし大人になるにつれて、そんな順風満帆とはいかない。失恋もするし、職場の人間関係にも悩まされる。
そして、この先もそんな人生は長くつづくのだ。
ただただおめでたかった誕生は今はどうなのだろう。彼女は今はどう思っているのだろう。
怖くて直接は聞けやしない。
そしてこの先の彼女の人生には何が待っていて何が起こるのだろう。心配でならない。
「お母さん、私を産んでくれてありがとう」
なんて言葉は幸せでなければ言えない言葉だ。
そんなストレートな感謝の言葉なんて要らないから、どうかこの先、苦労苦悩悲しみ苦しみ寂しさなんかは最小限で、愛情に満ちた幸せが沢山の人生であって欲しいと願う。
健康で幸せな日々、“それだけ”でいいと思うのだが、それはとても贅沢な願いで、“それだけ”なのにそれはとても贅沢な人生だ。
それでも、どうか、そんな贅沢な人生を彼女が送れますように…
それが私の願い
彼女には内緒の母の願い
プレッシャーになったり重荷になってはいけないから黙っていよう。