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隠し味の解釈。

隠し味の意味を検索してみると下記のような意味が連なる。

隠し味(かくしあじ)とは、調理の際に主要な食材以外の材料(目立たない程度であり、たいていは微量)を加え調味する技法、またはその材料を指す用語。
それ自体が料理に必要なものではないが、加えることでその他の食材の風味を引き立てたり、料理のアクセントとして用いられることが多い。
隠し味は味の決め手になることが多い。

まぁだいたいそんな解釈が一般的である。
ボクもつい先日までは、そのような解釈で隠し味の意味を捉えていたのだから。

しかし、今までとは目線が変わると、ちがう解釈の存在が浮かび上がった。
それが、「味を隠す」という解釈である。

気になっている食材の風味なり後味があった場合に、それを「隠す」という手法である。
何かを補足することで、主要な食材の良い働きはそのままに、隠したい部分だけを隠すために用いる。
それが隠し味の働きであるのだと。

そこに気がついたのも、お菓子づくりからである。
今年に入り、吟味をした材料を使うようになったのですが、バターの酸味が気になっていた。
そのバターの酸味をどうにかして気にならないようにしたい。
そう考えたことがきっかけだった。

そして、スフレチーズケーキを作った時に、自分でもびっくりするくらい美味しかったことがヒントになったのだ。

そして、今だから言えるが、隠し味は主要な材料との相性なので、バターを使うものならば、すべてその隠し味で成り立つものではない。
そのバターは、どのような風味や酸味が登場するものであるのかという個性を見抜かなければならず、そこが理解できることで隠し味のバリエーションが変わるものであるということである。

これもそれも、コーヒーを評価する場合では「酸味」を分析しなければならないため、酸味目線の残り香から、どのような隠し味を重ねることで、主要な酸味や風味と合わさり補い合うのかが理解できていれば、隠し味の選び方が自ずと見えてくるという話しなのだ。
その場合に、主要な材料の酸味が感じられれば、同じカテゴリに分類されるものであったり、その酸味のフルーツに主に登場している酸味や風味を重ねることで、補い合う関係が得られる可能性が高いのである。
そのためには、フレーバーの中から酸味のフレーバーを感じられないことには、ここまで解説してきたことは意味をなさないのである。
フレーバーから隠し味を探すのではなく、酸味から隠し味を探すことで「隠す」ことができるということなのだ。

言葉は本質を語っているものであると常々感じている。
いつの間にか間違った使い方で使われていってしまうのも言葉なので、言葉の意味を感じながら、その言葉を使っていきたいものである。
今回感じた「隠し味」も、その意味の方がピッタリと当てはまるので、ボクの解釈では、隠し味は気になる風味や後味を隠すために使われるものだと思っている。

「こだわり」って言葉も、みんなポジティブに使っていますよね。
ボクにはネガティブにしか感じとれないのですけどね。


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