【織々ノ記】#92 相撲とホタルと月
2023年6月3日
今日は鶴竜引退断髪披露大相撲のために、数年ぶりに両国へ(いつもJR線を使っていたけど、今回は大江戸線を初利用。大江戸線からだと国技館までちょっと歩くのね)。
国技館は本場所や断髪式などで何度か訪れたことがあって、断髪式に参列するのは今回で2回目だ。1回目は元豊真将の立田川親方のときで、高校生の頃。土曜授業と被ってしまったので、初めてズル休みをしたのをよく覚えている。
さて、今日は朝余裕をこいてしまったので、プログラムの最初の方に間に合わなかった。特に鶴竜親方最後の取り組みが見れなかったのが残念……(100%自分が悪いのだが)。ただ、今回は昨日の大雨の影響で会場にたどり着けなかった人も多かったようで、その方々に比べればまだ好運な方だろう。
今日のハイライトとしては、やはり陸奥親方の止め鋏、そして、娘さんの手紙の朗読であろうか。長女のアニルランちゃんから手紙の贈呈があったのだが、涙ぐんだその声に思わずもらい泣きしてしまった。
それにしても、やはりテレビと生とではまるで感じ方が違う。毎場所欠かさず本場所はテレビで観ているが、実物を観てみるとそれらはまやかしに過ぎなかったと感じてしまうほどだ。
次の両国の九月場所はぜひ現地まで見に行きたい。
前日の大雨から一転、午後はよく晴れた。まさに台風一過の空模様だった。夜にまた用事があったので、両国駅前のベローチェで時間つぶし。コーヒーフロートが美味しい季節になってきた。
夜の用事は久我山駅前のホタル祭り。
一応玉川上水の方でホタルを見ることができたのだが、写真には収めることができなかった。まあ、写真を撮ることに躍起になって、ホタルを見る体験自体を蔑ろにしてもしょうがないので、別にいいだろう。今日の体験をいつまでも記憶にとどめておく営みのほうがよっぽど重要だ。
帰り道。月が満月であることに気付く。
「月が綺麗ですね」という言葉は最早散々に使い回されて、手垢にまみれた表現となってしまった。
それでも、今日みたいにあまりに月が綺麗な夜には、そんなチープな言葉しか思いつかないのもまた事実だ。悔しさとともに、その言葉を送る相手が今いることに喜びを感じる。
(了)