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書籍編集者が「本づくりから離れる」と決めた理由。 (HIBIKUのこと③)

こんにちは、ビジネス書編集者の米津香保里です。

全国の経営者の「思考の整理」と「発信」をサポートするサービス「HIBIKU」の立ち上げにあたり、私が大切にしていることを世の中の(特に中小企業の)社長さんに知ってもらいたい! そんな思いから、このnoteをスタートしましたが…。

新規事業って、見たことのない景色が現れたり、大きなカベが立ちはだかったりの連続ですね!ガムシャラに突き進んでいるうちに、あれよあれよと月日は経過。前回の投稿から半年も空いてしまいました!

……いきなり言い訳をシャウトしましたが(笑)、以前の記事を読んでくださった皆さま、そして、初めましての皆さまも。
よろしければ引き続き、お付き合いいただけますと幸いです。

さて、前回の記事では、新サービス「HIBIKU」を立ち上げたきっかけについてお話ししました。

★ビジネス書編集者が、社長さんに対してできること。(HIBIKUのこと②)

https://note.com/kaori0522/n/n78eef63967f6


今回は、「HIBIKU」のサービスを世に送り出そうとした私の前に立ちはだかった壁と私の背中を押してくれた頼もしい存在についてお話しします。


<目次>
●本づくりから離れて、新規事業に全集中する
●「ぜんぶやります」と言ってくれた部下


本づくりから離れて、新規事業に全集中する

前回お話しした通り(って、半年も前に書いたことを持ち出されても忘却の彼方とは思いますが...苦笑)、私は2018年9月に東京国際フォーラムで開催されたビジネスフェア「よい仕事おこしフェア」で多くの社長さんをインタビュー。その経験を通じて、新規事業(HIBIKU)に対する強い手ごたえを得ることができました。

『編集者のチカラ』で、中小企業の社長さんの『発信』をサポートする

という方向に絞ることを決めたのです。

中小企業の社長さんは、「発信」で悩んでいる。もしくは、悩んでいないけれど発信力が弱い。だから、せっかくいい商品やサービスを持っているのに、それが伝わっていない。

私たちビジネス書編集者なら、これまでのノウハウを使って何かお手伝いができるのではないか?
相手(著者)の言いたいことを、「質問」を通じて浮き彫りにして、それを魅力的なコンテンツ(本)にまとめて、読者へ届ける。「伝えるプロ」として、それをずっとやってきているのです。

しかも、私が「ビジネス書編集者」であり、「経営者」でもあるというのは、ストロングポイントではないか?
ここを、新規事業のコアにしよう!との確信が芽生えました。

ところが、新規事業のプロジェクトを実際に立ち上げるまで、私はこのあと長い時間を費やしてしまいます。
机上のプランをアクションに移すには、多くの時間とコスト、そしてエネルギーを割かなければなりません。ところが、私たちスターダイバーは、たった3人で切り盛りしている小さな会社。毎日てんてこまいで、新規事業に集中する時間が全然つくれない!
やがて私は「本づくりからいったん離れなければ、新規事業に割く時間はつくれない」という事実に気がつきました。


「ぜんぶやります」と言ってくれた部下

そもそも私は、「本が作りたい!」という思いで広告業界から未経験のまま出版業界に転じ、書籍編集を一から勉強。勢い余って自分で出版プロデュース会社を創った人間です。
本づくりに対する思いは人並み以上に持っていますし、いい本を作ってヒット作を出していきたい、多くの人の記憶に残る本をつくっていきたいとの思いも常にあります。

編集者としても、経営者としても、本づくりの土俵で勝負してきた自負があるし、できればこの先も勝負し続けたい。
ですから、他のビジネスに手を出すことは、本づくりの土俵から逃げ出して敗北宣言をするようなもの。私を育ててくれた出版業界を裏切るような気持ちすらあります。

その日も、職場でう~んと唸りながら、部下で編集者のシゲタ(重田玲)に悩みを打ち明けていました。なにせ、社員3人の会社です。社長の考えていることは普段から話しているので、大筋は理解してくれています。

黙って話を聞いていたシゲタが、口を開きました。

「……わかりました。今の仕事のことは私に任せてください」

……えっ?
いま、なんて言ったの?

「米津さんがいま抱えている仕事は、私がぜんぶ引き継ぎます。だから、米津さんは新規事業の立ち上げに専念してください!」

私が悶々と悩んでいることに対して、1児の母でもある彼女が自発的に「やります」と宣言してくれたのです。

「ありがとう!私は新規事業で新しい会社の価値をつくるから、あなたは今の仕事を守り抜いてね」

私は彼女にそう伝えました。

その瞬間、目の前にいるシゲタと(通じ合っているなぁ)と思える感覚がありました。
思い返せば、シゲタと出会ったのは6年前。雑誌の編集者をしていた彼女は、「本がつくりたい」との想いを胸に、私の会社にやってきました。
ゼロから書籍編集の仕事を学ぼうと必死な姿は、20年前の自分と重なるところがありました。

私が責任をもって、こいつを一人前の書籍編集者に育てよう。

そう思いながら、ずっと彼女に接してきました。厳しいことも言ってきたし、プレッシャーに潰されそうになっている場面も「乗り越えてくれ!」と祈りながら見守り続けてきました。気づけば6年の歳月が経ち、今では私が彼女からアドバイスをもらうほどに成長してくれました。

重田さんイラスト (1)


彼女のおかげで、ようやく新規事業に専念する踏ん切りがついた私。新規事業が立ち上がるまでは本づくりには関わらない!と決意しました。

やらない理由がなくなった。よし、頑張ろう!

ちょうどその頃です。
新型コロナウイルスの黒い影が、この小さな会社も覆い始めていました...。

☆HIBIKUサイトはこちらですー
https://hibiku.jp

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