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世界は音に溢れてる

写真:井戸の上で猫と寛ぐ


検査から、聴覚に関係する神経に炎症があるのが

はっきりわかるということで

すぐに治療にはいりました


毎日の点滴と

つとめて体を休ませることで

日々が過ぎてゆきます


音が辛いという経験は生まれて初めてで

特にテレビやスピーカーからのデジタル音はひどく不快でした


めまいがひどくなければ

前にもまして

庭に出て過ごすことが多くなり

そして音にとても敏感になりました


自然な音

風や

鳥のさえずりや

木の葉のゆれる音


耳鳴りは辛いですが

そうした音はさほど気になりませんでした


音が全て不快なのではなくて

どんな音が辛くて

どんな音はそれほどでもないのか

興味深いと思いました


そして


耳が故障して初めて

聞こえにくいという機能的な不都合だけでなく

音を使って自分がどのように空間を認識しているか改めて気づきました


耳が詰まったり音が聞こえにくい状態にあると

まるで自分の体の輪郭と認識しているものが

ぶれたりへこんだりするように感じました


短い期間だったので

それらは微かな変化ですが

にもかかわらず

それは多様でした


幸いなことに

薬の副作用の辛さをのぞけば

毎日の多様な変化も

回復の方向に向いているのが自分でもわかりました


耳がつまった感じが解けたときは

自由になった感じがしました

同時に

体が持つ回復するという力にとても感動しました


音に敏感になる経験をして

世界は音に溢れているという

当たり前のことに気づき

回復した今

それらの音がとても心地よく感じます


そして

音への意識がより繊細になったように感じています


精神的にもとてもチャレンジングな経験でしたが

そしてとりあえずは回復したからこんな風に言えるのですが

気づきの多い経験でした


聴力は今のところすっかり回復し

あとはしばらくお薬を飲むだけです

もちろん先のことはわかりません


ですが、とりあえず

まだ聞くと言うことを通じて

世界を探検する機会が与えられて

とても感謝しています


ぼちぼちと

また始動していこうと思います

Deep Gratitude


※ 2020年4月に書いたものをここに移しました