バレンタイン_013

少女誌の担当さんに教えてもらったこと


こんにちは、小柳かおりです!

今日は少女誌時代に考えていたこと、編集者さんに教えていただいたことについて書きたいと思います。

少女漫画とは

自分が描く漫画は「胸キュン系」と言われることがよくあります。意識的に目指して描いているわけではないのですが、少女誌出身というのも関係していて、自ずとそういうものを描きがちなのかもしれません。

デビュー前は自身の状況を投影してか、「主人公が夢を追いかけるお話」を描くことが多かったのですが、そんな頃、某少女誌の編集者さんに「少女漫画とは」の一つの答えを教えてもらったのでした。

その方には小学館でとある漫画賞の奨励賞を頂き、担当として見て頂いていました。大学4年生。就職を控えていたので、結局、なんだかんだで編集部から足が遠のいてしまったのですが…。(奨学金返済もあったので就職しないという選択肢はなく、当時はガチで漫画家を目指すということをあきらめてしまいました)

その編集者さんは確か東大で哲学を勉強されていた方だったと記憶しています。とにかく恋愛漫画を細かく分析されていて、ネームを持ち込むとそのネームというより、まず問いを投げかけられたことをよく記憶しています。(今思えば哲学出身っぽい。)


「人は何のために漫画を読むの?」

「君は幸せになりたい?不幸になりたい?」

その質問に即時返答を繰り返すようなやり方で、結局「人は幸せな気持ちになるために漫画を読むんだ!」という一つの答えに行き着きました。

そこから「どんな相手役(男)なら読んでいて幸せな気持ちになる?」

「君の描く主人公は夢追い人が多いけど、本当にそれでいいのかな?」

「どんな男なら結婚したいと思える?」

当時リアルに恋愛に疎かった自分にとって、これらの質疑応答はかなり腹に響きました。そして、結論として、最近WEB漫画でも流行っているような「スパダリ系」に行き着きました。

スパダリ系

「結婚したくなるようなハイスペック男子が自分のためになんでもしてくれる」というシチュエーションは、やっぱりドキドキ感あるし、女子の癒しだと思います。

韓流アイドルやジャニーズにキャーキャーいうのも、スパダリにキャーキャーいうのもやっぱり根本は通じているような気がします。
自分は何かのアイドルのファンになったことがあまりないのですが、そういうミーハー心を持つことも大事なのだなあと思うきっかけになりました。そこからはひたすら「結婚したい男」をテーマにネームを描きていたように思います。

やっぱり描いていて照れがあるので、肌色は少なめが好みなんですけど、その照れも次第に消えていくんですよね。はじめはちょいキスを描くのも恥ずかしかったのに、いつの間にか抱き合ってるみたいな…w

心理的に脱がしていく編集者さんってすごいな。。


青春を描きたかったんだ

でも、「本当にそれが描きたいことなのか?」は常に考えていました。やっぱり男女の絡みシーンは読者サービスにはなるけど照れもあって描けないし(TLはもっと難しい)、、、自分が描けるもの、描けないものがわかってきて、少女漫画であるとしてもどんなものが描きたいのか、少女漫画じゃないと本当にダメなのか?と考えるようになりました。


自分はまだ模索していて、「描けないもの」はわかってきたけど「描けるもの」「描きたいもの」がまだぼやけています。それでも女性向けに純にキュンキュンするものが描きたいんだとか、それでもただ身体の関係に訴えるものはNGなんだとか、的を絞るようになってきて、最近はSNSで上げた漫画でみんながキュンとしてくれるのが嬉しかったりして、「そうか、青春が描きたかったんだ」と思えるようになりました。


こうして日々、描きながら、気付きながら、修正して前に進んでいる状況です。漫画は難しくも楽しくあるなと思います^^

漫画を描くのが苦痛になっていた頃もあるので、楽しめるって本当に最高なことですね。

今日は長めの文章になりました。読んで頂きありがとうございますm(_ _)m


バレンタインに描いた胸キュン漫画をご紹介します↓

「素直になれない女の子の話」


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