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音と色との関係〜レッスン記

毎月、月一で先生と会い、その日の気分で一緒に遊んでいる様だったレッスンから丸三年経った。

去年暮れから時間を分けて月二回、それもちゃんとレッスン曲を決めてみている。

初めて読む人の為に解説すると、チェロを習っているのだ。

今の先生と初めて出会ったのはもう6〜7年前だけど、先生と生徒として縁が出来たのは3年前。

何度目かの再会後、数年越しでやっと縁が出来た。

「これからもずっとお友達でいたいんだけど、先生になってもらったらもう、友達では無くなるのかな?」

そう聞くと

「ずっと友達で良いですよ」

と答えてくれた。

そう言ってくれたのを覚えているかどうかは分からないけれど、だから安心して先生になってもらった。

さん付けで読んでいたのが、先生と呼ぶ様になり、会う度に尊敬してしまう様だけど、同時に私の中では今でも大事な友達だと思っている。

一時間のレッスンでは、バタバタと曲に追われてしまう様だけど。

つい最近始めた曲はカサドと呼んでいる。

カサド…曲名を知らない時からYouTubeで見つけてカッコいい、いつかやってみたいと思っていた曲。

けれど実際やってみると、困ったことに本当に楽譜が読めない(笑)

それで、一週目は「読めませんでした」と持っていくことになり、翌週にあった二週目の今回は「全然弾けませんでした」という状態。

ほんとダメ生徒だと思う。

おまけに一週目と二週目の間に、仕事で相当落ち込んで、体調まで崩してしまった。

それでも、ここでレッスンをやめたり弾くのを諦めるより、行けば行かないより進歩すると思っている。

そんなだけど、めちゃくちゃ寛大に先生、ありがとう!

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一週目は、ほとんど全部先生が弾いて解説してくれた。

「こんなに読めないのになんで先生、無理だと止めないのかな?」

と言うと

「曲を知るのは良い事ではないですか」

と平然と言った。

そうだよね、自分でやってみれば、曲ももっと良く分かる。

それに楽器は何でもやってみると、他の人の音楽を聴いても分かることが増えるんだ。

二週目は、まだ弾いてなかったところを解説。

重音がいっぱい出てくるのだけど、単音でメロディをまずは弾いてみようということに。

後で録音を聴くと、私はほとんど弾かずに横で歌ってばかり。

譜面を読むのが大変だから、歌って音を覚えて帰る。

時々一緒に歌ってくれる。

夢中なんだけど、はたから見られたら恥ずかしいかも。

それから、ハーモニクス(フラジオ)を。

指を浮かせて弦を触り、高い音を出す。

「宇宙に行ったみたいな音だね」

「ホーミーみたい」

…「そう、ホーミーも同じ原理ですよ」

自然界の音には元々倍音が含まれているらしい。

倍音というのは、一つの音に含まれている他の音…で合ってるかな?!

(私はライブ会場で演奏を聴いている時、時に実際に鳴っている音にハモる音を脳裏に聴いて楽しんでいたりする)

ホーミーは倍音を利用するのだとか。

***

「宇宙の音といえば…」

私の思い出話をする。

小学生になったばかりの頃、図工の教科書でミロの絵を見て以来、ミロの絵が大好きになったのだ。

「ミレじゃなくて?」

「うん、ミロ」

ミロの絵がなぜ好きかと言うと、ミロの絵を見ると音が聞こえるのだ。

私はそれを、宇宙の音だと思っている。

絵を見ながら脳裏に音を聞き、楽しんでいたのだ。

言葉で表現するのは難しい、地球上では聞いたことのない音。

音を聞きながら、星が生まれたり消えたりする音を想像していた。

「それでね、何年か前にミロの絵が近くの美術館に来たんですよ。

版画だったか。

そうしたら、同じことが解説に書いてあったんです。

宇宙の音を聞いてそれを絵にしたと。

だからやっぱり、この絵は音が絵になってるんだと思って」

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(私物の絵はがきよりミロの絵。上の絵の展覧時にそんな解説があった。(呉市立美術館)

下のはNYのモダンアート美術館で手に入れた)

すると、こんな話をしてくれた。

《音は振動で出来ている。

人間の耳が音と感知するのは一秒間に20回から2万回の揺れ。

20回以下は振動として感じ、2万回以上になると色に感じる。もっと進むと光になる》

…そ、そうなのかぁ!

それが本当かどうか、正式な文献があるか後で調べてみたところ、似た様な事が書いてあるものはあった。

話の流れからいくと、ミロは普通の人が聞こえない領域の音を聞き、それを色や図形に捉えて絵にした。

私は逆に、音が絵になったミロの絵から、音に変換した。

という事だろう。

そうだったら凄い!

そして自分の中では、幼い頃からの長年の疑問が解ける解説だった。

「共感覚」とも言うらしい。

「周波数が高くなると、音がキラキラしているんですよ」

「そうなんだ!私が頭の中に聞こえる宇宙の音だと思っている音も、キラキラした音なんですよ」

音楽から発展した話が聞けて良かった。

カサド…まだあきらめず頑張ってみる。







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