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【試し読み】新刊『喫茶チェーン観察帖』から試し読み

 みなさん、4月13日が「喫茶店の日」であることはご存じですか? 日本初の本格的な喫茶店「可否茶館(かひいさかん)」が東京上野に開店した日〈1888年(明治21年)〉を由来としているそうです。

 その「喫茶店の日(4月13日)」に『東京喫茶帖』『東京喫茶店録』著者の飯塚めりさんによる最新刊『喫茶チェーン観察帖』がいよいよ発売されます。今回のテーマは、誰もが一度は足を踏み入れたことがある「喫茶チェーン」観察レポート。もちろん、喫茶店、カフェ文化への深い愛情で包みこんだ一冊です。

 喫茶店の日の発売に先駆けて、「はじめに」を公開いたします。みなさん、ぜひお家で過ごされる時間のお供にどうそ~。

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『喫茶チェーン観察帖』
著者 飯塚めり
ページ数 128
判型 A5
本体価格 1600円
出版社 カンゼン
発売日 2020年4月13日

はじめに

 個人経営店でも喫茶チェーンでも、いつも周りを観察しているわたしです。あまりお店の人とおしゃべりをしない質だから、余計その傾向を極めてしまいました。

 たとえば個人経営店なら、メニュー表やインテリアなどをじっくり眺めて
店主さんの趣味嗜好へまで想像をめぐらす……みたいなことは、いつもやっていること。それは奥手なわたしができる、屈折しているけれど、でも精いっぱいのコミュニケーションで、そのお店のことがやっぱり好きだからこそ、観察と妄想が止まらないのです。

 喫茶チェーンの場合は、個人店のような店主さんはいないかもしれないけれど同じお店に何軒か通うと「人格」を感じることがあります。オシャレで気さくなスタバさんとか、マニアックでお茶目な老マスターのルノアールさんとか。

 それは、必ずしも計算されたものではなくて、お店のこだわりや歴史などからにじみでてしまった、マニュアルを越えた「味」なんだと思っています。その「人格のようなもの」にやっぱりわたしは惹かれているからお店に通うだろうなと。

 本書は、さまざまな喫茶チェーンの“生態”を観察者(という名のお客さん)目線でこつこつと描きためたものです。

 だからこの本は、データや網羅性に軸を置いたものではないですが、同じような気持ちでお店に通っている人たちもきっといるのではと感じますし、おもしろがってもらえるのではないかな……と思っています。

 では、めくるめく喫茶チェーンの絵日記帖、はじまりはじまり。

喫茶チェーン観察帖02

喫茶チェーン観察帖03

【著者プロフィール】

飯塚めり
イラストレーター/喫茶店観察家。早稲田大学第一文学部卒。カフェインで酔える喫茶マニア。そして、おばけ好き。著書に『東京喫茶帖』『東京喫茶録』(カンゼン)、『カフェイン・ガール』(実業之日本社)。季刊誌『珈琲時間』(大誠社)にて「喫茶の効用」連載中。2013年より、喫茶店めぐりミニコミ『別冊カフェモンスター』を制作。

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