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【試し読み】県立大崎 編『高校野球界の監督がここまで明かす! 投球技術の極意』(7/20発売)一部公開!

7/20発売となりました、高校野球本の新刊『高校野球界の監督がここまで明かす! 投球技術の極意』(大利実 著)より、一部抜粋して内容を公開。

今回は長崎県・県立大崎 清水央彦監督の項目になります。


県立大崎 清水央彦監督

投手を育てるポイントは教える順番にあり

投球技術下版PDF001-280017のコピー

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まずは投げる腕から 下半身の指導は最後に

――ピッチャーはどんなところから教えるのですか?
 たしか、こんな質問をした覚えがある。それに対する、清水監督の考えに驚かされた。
「私は、投げる腕から教えます。ほとんどの指導者が、『腕はいじらない』『下半身から教える』と考えていると思いますが、下半身を教えるのは最後です」
 その後も多くの指導者から、投手育成法について聞いてきたが、「投球腕から教える」と自信を持って答えたのは清水監督だけである。
 なぜ、投球腕から入るのか。なぜ、下半身の指導は最後なのか。
 もっとじっくりと話を聞きたいと思ったまま、10年以上の歳月が過ぎてしまった。その間、清水監督は佐世保実を夏の甲子園に2度導き、この春には県立大崎高を初の甲子園出場に導いた。甲子園に行くときには必ずと言っていいほど好投手がいて、現在の大崎高には安定感が光る右の坂本安司と、将来性豊かな長身左腕・勝本晴彦を筆頭に、楽しみなピッチャーが複数いる。
 羽田空港から飛行機でおよそ2時間、さらに長崎空港からレンタカーで1時間半。目的の場所である西海市の大島総合運動公園のグラウンドに着くと、「こんな遠くまでわざわざありがとうございます」と、清水監督が笑顔で迎えてくれた。この野球場は、大崎高校の実質的なホームグラウンドであり、平日も土日も優先的に使用できるようになっている。
 早速、聞いてみたかった。投球腕から教える理由はどこにあるのでしょうか――?
「利き腕なので、誰もが優れた感覚を持っています。感覚があるからこそ、直しやすい。それが一番の理由ですね」
 何とシンプルな答え。
 では、軸足から指導しない理由とは?
「軸足で立って、体重移動を起こして……という動きもたしかに大事ですが、まだ下半身の力がないうちにそこをやってしまうと、スピードが全然上がってこないんです。軸足できれいに立ったとしても、体重移動のスピードにつながっていかない。上半身の動きができて、トレーニングによって下半身が強くなってから、下の使い方を教えるようにしています。これまでの経験上、下の動きは形だけ作っても、良くなっていきません」


投球技術下版PDF001-280021のコピー



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『高校野球界の監督がここまで明かす! 投球技術の極意』
著者 大利実
ページ数 280
判型 46判
定価:1,870円(税込)
ISBN:9784862556073
出版社 カンゼン
発売日 2021年7月20日


【著者プロフィール】

大利実 (おおとし みのる)
1977年生まれ、横浜市港南区出身。港南台高(現・横浜栄高)-成蹊大。スポーツライターの事務所を経て、2003年に独立。中学軟式野球や高校野球を中心に取材・執筆活動を行っている。『野球太郎』『中学野球太郎』(ナックルボールスタジアム)、『ベースボール神奈川』(侍athlete)などで執筆。著書に『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)、『高校野球 神奈川を戦う監督たち』『高校野球 神奈川を戦う監督たち2 神奈川の覇権を奪え! 』(日刊スポーツ出版社)、『101年目の高校野球「いまどき世代」の力を引き出す監督たち』『激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち』(インプレス)、『高校野球継投論』(竹書房)、『高校野球界の監督がここまで明かす! 野球技術の極意』『高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意』(小社刊)などがある。2月1日から『育成年代に関わるすべての人へ ~中学野球の未来を創造するオンラインサロン~』を開設し、動画配信やZOOM交流会などを企画している。


【目次】

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