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「コワーキングサイコパス」のススメ:今日のアウトテイク#229(2024-07-04)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

※カレーもコワーキングもサイコパスで。

#今日のBGM

#今日のコトバ

"「絶対イエス!」と言えないのなら、ノーと言おう。"
(デレク・シヴァース 『エニシング・ユー・ウォント』)

#コワーキングのコラボを考えよう

ミーティングルームとフォンブースを提供するMuteBoxがベルリンのコワーキングUnicorn Workspacesとのパートナーシップにより、コワーキングスペース内に新しいショールームを開設した。

一見、競合してるようにも見えるが、家具会社がコワーキングとコラボして新しい販路を開こうとするのは理に適っていると思う。もちろん、双方に納得行く取引条件があるはずだが。

コワーキングと異業種とのコラボはいろいろ考えられる。すぐ思いつくところでも、カフェ、飲食店、図書館、書店、スポーツジム、大学、あるいは高校、保育園、ゲストハウス、ホテル、サウナ、スーパーマーケット、教会、等々、もっとある。ちなみに公民館もそのひとつ。ただし、場所としてではなくコラボのパートナーとして。

コワーキング曼荼羅を見てると、いろいろ思い浮かぶはず。

それは生活圏内にコワーキングができだしたこととも関係している。

そういえば今日もある人と、チョコザップが話題になったのだが、今やジムにとどまらず、マッサージにエステにカラオケ、ついにはランドリーも始めたぐらいだから、あそこがちょっとしたワークスペースを設置する可能性は大いにあると思う。

要はコワーキングも異業種とのコラボ、ミックス、パートナーシップで、収益モデルを作れるということ。どこと組んでどういうサービスを提供するか。案外、気づいていないニーズがあったりするので、ちょっと考えてみてはどうか。

#「コワーキングサイコパス」のススメ

ぼくはエリックサウスという店のカレーは、セブンイレブンとのコラボによるビリヤニでしか知らないけれども、あれはなんというかコンセプトからしてちょっと他と違ってて、めちゃくちゃ旨かった。

コンビニの商品でもそうなんだから、実際に店でいただいたらさぞや、と思ってたし、名前からして意味はわからなかったけれどもなんか渋いなぁ、と思ってた。その理由がこの記事で判った。名前の由来も判った。

大学卒業後、南インド料理の専門店としていかにして超人気店にまで成長してきたか、という話。自身を「フードサイコパス」と呼ぶほどに、飽くなき「食」への好奇心を駆り立てて、「本物」を作って客に提供するということに真摯に取り組んできた歩みはとても興味深いし刺激的だ。

で、例によって、これをコワーキングなら…と読み替えるとビビビと参考になるところがある。まずは、記事を読んでいただきたいのだが、いくつか引いてみる。

まず、ここ。岐阜で、近隣の同業者が集まるお店となったあたり。

「僕らの性格として、たとえばイタリアンのシェフに中途半端なパスタを出すことはできないんです。本職の人を納得させるためにはそのジャンルのマナーに沿った『正しい料理』じゃなければいけない。なので、彼らを満足させるためにその分野の知識を得て、料理を学ぶようにしました。そうやって自分たちを追い詰めて、セルフ修業していましたね」

いろいろなジャンルの料理人が来れば来るほど、料理の知識とレパートリーが増えていく。それは、イナダさんにとってアドレナリンが溢れ出る環境でした。

「レシピや技術という自分のコレクションが増えていく感覚なんです。カードゲームって、手持ちのカード多ければ多いほど最強デッキが組めるじゃないですか。私はコレクターのようにカードが増えていくことに喜びを感じるんです。だから、すごく楽しかった」

どんな料理人にも認められる料理を出そうと研究しているうちに、オールジャンルに対応できる腕と実力がつきました。その味はさらにお客さまからの評判を呼び、2店舗目、3店舗目とお店は拡大していきます。開業当初「ちょっと手伝うつもり」だったイナダさんは、いつの間にか主力の料理人に成長していました。

コワーキングにもさまざまな利用者(コワーカー)がやって来る。彼ら彼女らの目的はなにか、課題はなにか、どんな要望を持っているか、そこに気を配りながら応接していく、サポートしていく。誰でも同じ、では決してない。そんなはずがない。

業種や業界もそれぞれ違ってたりする。それぞれにニーズが違うし言葉も違う。そこをカスタマイズする。オーダーメイドで応える。しかも、それをひとつのコワーキングという共用ワークスペースでライブで、時には同時進行で実行しなければならない。まさに、コワーキングマネージャーが超人と言われる所以。

しかし、そうすることで稲田さんが言うようにどんどん「カードが増えていく」。どんなコワーカーにも頼りにされるようになる。これを楽しいと思うかどうか。つまり、「人」に興味あるかどうか、だとぼくは思う。

それと、ここ。

エリックサウスの存在を、マニアにどう届けるか。イナダさんは、マニアの琴線に触れるような情報をSNSで発信し始めました。それは、難しいことではありませんでした。なぜならイナダさん自身がマニアだから。自分の心が動くようなことを投稿すればいいのです。

次第に遠方に住むマニアが興味津々で訪ねてくるようになりました。その時に期待外れだと思われたら、辛辣な批判を浴びるため料理のクオリティには人一倍気を遣いました。岐阜の料理人が集まる店で厨房に立っていた時と同じ緊張感でしたが、不安はありませんでした。

「自分もマニアだから、マニアのツボはわかるんです。自分が食べたいもの、自分が好きなものを出せば良いと思っていました」

この「自分もマニアだから自分が好きなものを出せば良い」というのも、コワーキングの運営に相通じる。つまり、自分もコワーカーと同類になっていれば、自分が喜ぶものを提供すればいいわけだ。

それには、自分もどこかのコワーキングを利用してみる。あるいは、自分のコワーキングでコワーキングの運営以外の仕事をしてみる。ユーザーになってみる。これを何度もやる。

そうすると、コワーカーが何を求めていて、何が気に入らないか、どこを評価してくれるか、喜んでくれるかが判ってくる。ずっと、「お迎え」する側にいたのでは絶対に気づかないインサイトが、実は山ほどある。

毎度言うように、「利用者VS運営者」ではなく「利用者WITH運営者」、もっと進化して「利用者≒運営者」ぐらいにまでなれば言うことない。

これ、いつも運営のご相談があるたびに皆さんに勧めている。コワーカーの志向や嗜好、あるいは思考をコワーカーの身になって知るということ。もちろん、そのすべてを即座に満足させられなくても構わない。しかし、「ツボ」が判るだけでやり方はいくらでも思いつく。

つまり、「フードサイコパス」ならぬ「コワーキングサイコパス」になるということ。←ここ大事。

しかし、このくだりは笑ったね。

「うちに通うお客さまは君に親切にしてくれると思うけど、それは学生さんやからやで。京都で商売をする言うたら話は違うし、京都人はよそから来た人は徹底的に潰すよ」

判ります。京都は学生には甘い。よそさんにはキツイ。ま、それも愛のムチです。知らんけど。

稲田さんのこの本も参考になる。オススメ。

ところで、エリックサウスって関西にはないのかと思ったら、なんと大阪梅田にあるではないの。シラナカッタ。絶対に行く。あ、もう口がカレーになってきた。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:エリックサウス)


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