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読書記録『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 増補版』

こんにちは、神崎翼です。
今回の本はこちら。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 増補版
(2019.2/佐々木典士著/筑摩書房)

世界累計40万部のベストセラー(23カ国で翻訳)、待望の文庫化!読むとすぐに実践したくなる“手放す方法最終リスト”を増補して80のルールに。「手放すことは「得る」ことである・手放すことがすべての始まり・モノの時給を考える・永遠に来ない「いつか」を手放す・「ある」メリットが上回れば増やすetc.」。モノから解放されて自由に生きるために。

honto商品説明より引用

ミニマリストについての基礎から考え方の解説、具体的な実践方法や経験談までが網羅されており、ミニマリストについて学べる集大成ともいえる本です。

「なぜ少女はおもちゃの指輪で満足できなくなるのか?」「ビル・ゲイツは6回ご飯を食べられるか?」など、どれをとっても興味深いトピックスが読みやすい長さにミニマルにまとめられていて、その点もさすがミニマリストの方が書かれた本だなと感心します。

特に自分の行動に即座に影響した項目は下記の2点。

 「人間」は5万年前のハードウェア
進化していない5万年前のハードウェアに情報もモノも詰め込みすぎている、というのが現代の実情だ。限られたハードディスクには不必要な情報が満載。貴重なメモリは、他人の目線を気にして、モノを追いかけ、管理することに大きく割かれる。そうなると本来の大事なことに手をつけられなくなるのも当然だろう。そして束の間の娯楽を消費し続ける。

P.55 第1章「なぜ、ミニマリストが生まれたのか?」より引用

 誰でも「孤独」アプリがインストールされている
人には群れから離れたとき、ちゃんと孤独を感じるよう、「孤独」アプリがインストールされている。孤独は1人でいるときに群れに戻りなさい、誰かとつながっていなさい、と命じる警報装置のようなものだ。この孤独アプリはデフォルトでインストールされていて、長押ししてもどうしても削除することができない。

P.80-81 第2章「なぜ、モノをこんなに増やしてしまったのか?」より引用 

この項目を読んでから、好きだった農園ゲームを卒業し、またSNSとの向き合い方が変わりました。

農園ゲーム、無限に時間を吸い取られている認識はあったものの、何かをしながら(歩きながら、動画を見ながら等)やることで時間の損失を抑えていたつもりでした。しかしやめてみると思考に余白が。なんなら創作のネタが自然と浮かんできて、相当脳みそが圧迫されていた事実にいっそ呆気にとられました。物理的な空間圧迫だけでなく、情報という無形のモノにも私たちは日々圧迫されているんだなと改めて実感しきり。

SNSも、漠然とした不安感の中いくつものアカウントを渡り歩いていたのですが、「なるほど人間の仕組みがそもそもそうなっているのね?」と納得したことにより、減らしてはいないものの過度なのめり込みが激減し、適切な距離を保てるように。モノやつながりによって不安を解消しようとしていたこと、そしてモノやつながりでは一旦は消せても、不安に対する根本的な解決にはならないのだなと、知識を適切に得ることの大切さを改めて学びました。

これまでに何冊かミニマリストについての本は読みましたが、今回の本は脳や人間の仕組みをふわっとした感情論抜きにわかりやすく説明しており、ミニマリストになる選択肢は幸せに生きていくうえでとても合理的な手段なんだなとストレートに納得できる内容になっていました。ミニマリストについての良書を一冊紹介してほしいと言われたらこれを差し出すと思います。

大変おすすめの本となっているので、ミニマリストについて関心がある人だけでなく、生き方や暮らし方に悩んでいる方、漠然とした不安感に悩まされている方はぜひどうぞ。

それでは今日はこの辺で。
また次の記事でお会いしましょう。

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