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読書記録『大衆音楽史 ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで』
多分これ、音楽に興味がある人より、昨今何かにつけて話題になる差別問題とかに関心がある人が読むべきなんじゃないかなぁ。
『大衆音楽史 ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで』
(森正人著/中央公論新社/2008.8)
正直、読んでいる最中は「私は音楽のジャンルの違いについて学びに来たはず……なぜ階級社会や人種差別について詳細に書かれた世界史の本を読んでいる……?」とずっと首をかしげていました。浅学で申し訳ないです。でも本当にそんな感じ。
イギリス史とアメリカ史をざっくりでもいいから頭に入れておかないと一章すら読みほどけないし、二章以降に書かれる黒人音楽についてはもう義務教育レベルの世界史では太刀打ちできません。特に黒人差別については、ここまで、こんなにも根深く、世界中にあって、継続されているというのが、ありありと伝わってきて衝撃でした。
音楽とは文化・社会・政治・宗教・歴史メッセージを伝えるもの(P.213より引用)
音楽は、声を挙げることを許されない、あるいは挙げても聞かれることがない社会の中で周辺化された人びとにとって、重要な表現手段であった(中略)音楽は単に個人的なものではなく、小さき者たちの集合的な声となる。(P.249-250より抜粋)
伝えたいものがあるからこそ、表現する。「表現する」ということに対する重さを、血を吐くような思いを、改めて考えるべきだなぁと自省しました。
今日はここまで。
またお会いしましょう。それでは。
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